ミナハサ族(読み)ミナハサぞく(英語表記)Minahasan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミナハサ族」の意味・わかりやすい解説

ミナハサ族
ミナハサぞく
Minahasan

インドネシアのスラウェシ島北部のミナハサ半島に住むプロト・マレー系の民族。主要な都市であり港でもあるメナドにちなんでメナド人とも呼ばれる。人口約 100万と推定される。言語はフィリピンの言語と親縁関係にある。山岳地帯であるが土地が肥沃なので,陸稲水稲耕作を行うほか,とうもろこし,サゴやし,たばこなども栽培し,漁業も行う。水牛,馬,やぎ,豚を飼育する。村は土地を共有し,村長が毎年各世帯の必要に応じて耕地を割当てるが,最近では私有地がふえている。出自双系をたどり,親族集団が形成されているところもある。一般に結婚は仲介人が取決め,妻方居住制をとる。結婚式は婚資の支払いと祝宴を含み,一夫一婦制が原則である。社会は階層的に貴族,自由人,奴隷に分れていた。親族集団間で首狩りを主目的とする戦闘も盛んであった。早くからヨーロッパ文化の影響を受け,現在住民の大部分キリスト教徒となっている。一部にイスラム教徒がいる。祖霊崇拝と,供犠祭宴が盛んであり,シャーマンによる病気治療も行われている。

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