超小型の模型自動車玩具(がんぐ)。ミニカーmini carともいう。モデルカーmodel car(模型自動車)の一つで、収集して楽しむホビー玩具として世界的流行をみせている。モデルカーには、金属製モデルカー、レーシング用モデルカー、ミニチュアカーなどがあり、ミニチュアカーは模型自動車として代表的なもので、最初は置物、飾り物として発生した。イギリスではすでに90年以上の歴史をもっているというが、実物を正確に縮尺複製できるダイカストdie casting(鋳物製)がおもになっている。イギリスのデンキー、コーギー、スポットオン、レズニー(マッチボックス)、バッチ、ドイツのガマ、ツイス、イタリアのリオ、マーキュリー、ポリトーイ、フランスのソリッド社などが代表的メーカーで、ヨーロッパ40社の総車種は、約6000種以上にのぼるといわれる。日本にも約1000種以上紹介されているが、国産品も1959年(昭和34)から数多く出回っている。
あらゆる車種が、実物とそっくりにつくられ、愛好されて、これを収集する趣味が広まった。収集家相手のミニチュアカーは、自動車工業の発達を反映して、多種多様の型が続いてつくられている。フランスには収集家のための組織CIAM(国際自動車ミニチュア・クラブ)があり、日本でもJMCC(日本ミニチュア・コレクタークラブ)などがカーブームにのって生まれた。13歳前後を頂点に、成年層にまで広い支持がある。
[斎藤良輔]
縮尺の小さな自動車の模型。ミニカーともいう。金属(亜鉛)ダイカスト製のスケールモデルで,縮尺は1/42または1/43が多い。おもちゃの自動車から発展し,1914年にはアメリカでT型フォードの模型がつくられたが,本格化したのは,34年イギリス,フランス,35年ドイツで生産されるようになってからである。日本へは55年に輸入紹介され,また同年アメリカ向けのものが製造されている。国産モデルの製造・発売は59年が最初である。かつてはフリクションモーターを入れて走るものもあったが,現在はプラスチック部品も利用した細部の表現に重点が置かれている。自動車自体の普及や型式の多種化にともなってミニチュアカーに対する関心もたかまり,コレクションが盛んになっている。
→模型
執筆者:小川 伸
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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