メガバンク(読み)めがばんく(英語表記)megabank

翻訳|megabank

日本大百科全書(ニッポニカ) 「メガバンク」の意味・わかりやすい解説

メガバンク
めがばんく
megabank

総資産が1兆ドル程度以上の巨大な銀行グループ。国際金融競争の激化や金融自由化などを背景に、1990年代にアメリカのシティグループ、ドイツのドイツ銀行、フランスのビー・エヌ・ピー・パリバ(BNPパリバ)などのメガバンクが次々と登場した。日本でもバブル経済崩壊後の大手銀行の体力低下と金融危機への対応から、「みずほフィナンシャルグループ」「三菱UFJフィナンシャル・グループ」「三井住友フィナンシャルグループ」の3メガバンクが誕生した。

 金融持株会社傘下に、個人向け銀行、法人向け銀行、信託銀行、リース会社、クレジットカード会社、民間研究機関などを置いた形態をとることが多い。

 1980年代後半のバブル経済期の日本には、都市銀行13行(三井、三菱、住友、富士、第一勧業、三和大和東海、太陽神戸、協和、埼玉、東京、北海道拓殖)、長期信用銀行3行(日本興業、日本長期信用、日本債券信用)、信託銀行7行(三井、三菱、住友、安田東洋、中央、日本)のあわせて23の大手銀行があった。しかしバブル崩壊後に大手銀行の破綻(はたん)や合併が徐々に進展。金融持株会社の設立解禁を受け、2000年(平成12)に、第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行が経営統合して日本初のメガバンクである「みずほフィナンシャルグループ」が誕生した。

 以後、大手銀行の再編は加速し、「三井住友フィナンシャルグループ」(グループの母体となった銀行は三井、太陽神戸、住友。以下同じ)、「三菱UFJフィナンシャル・グループ」(三菱、三菱信託、東京、三和、東海、東洋信託)、「りそなグループ」(協和、埼玉、大和)が発足した。また、前記グループに入らなかった「住友信託銀行」と「中央三井トラスト・ホールディングス」(中央信託、三井信託)も、2011年4月に経営統合して「三井住友トラスト・グループ」となった。

[矢野 武]

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