日本大百科全書(ニッポニカ) 「モイセーエフ」の意味・わかりやすい解説
モイセーエフ
もいせーえふ
Игорь Александрович Моисеев/Igor' Aleksandrovich Moiseev
(1906―2007)
ウクライナ出身の舞踊家、振付師。キエフ(現、キーウ)に生まれる。モスクワのボリショイ・バレエ学校卒業後、同団に入り、ゴレイゾフスキーKasyan Goleizovsky(1892―1970)の『美しきジョセフ』『赤いけし』などに出演。1936年、バレエ・マスターになるとともに、ソ連邦各地の民族舞踊を紹介する民族舞踊フェスティバルを企画開催し、民族芸術劇場の監督に就任した。これを母体に翌年モイセーエフ民族舞踊団が創設され、第二次世界大戦後は盛んに海外公演も行った。さらにモイセーエフ舞踊団と改名、「ウクライナの踊り」「モルダビアの踊り」などのほか、『パルチザン』『フットボール』など自身の作品もレパートリーに加えた。バレエの振付作品に『スパルタクス』(1958)がある。1969年にレーニン賞を受賞、ソ連邦人民芸術家となった。
[市川 雅・國吉和子]