モクレイシ(読み)もくれいし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モクレイシ」の意味・わかりやすい解説

モクレイシ
もくれいし / 木茘枝
[学] Microtropis japonica (Fr. et Sav.) H.Hall.

ニシキギ科(APG分類:ニシキギ科)の常緑低木。葉は対生し、長さ5~10センチメートル、質は厚く、鋸歯(きょし)はない。雌雄異株。3~4月、淡緑色花を開く。果実楕円(だえん)形で2裂する。名は、果実が裂けて赤い種子がのぞくようすがウリ科ツルレイシ(ニガウリ)に似ており、木本であることによる。海岸近くに生え、関東地方南部、九州、沖縄、および台湾紅頭嶼(こうとうしょ)に分布する。

[門田裕一 2020年2月17日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モクレイシ」の意味・わかりやすい解説

モクレイシ(木茘枝)
モクレイシ
Microtropis japonica

ニシキギ科の大型常緑低木。フクボクまたはクロギともいう。東海地方と九州の暖地の海に近いところに生える。葉は楕円形ないし倒卵形で革質,全縁で対生する。春に,葉腋に小さい集散花序をなして,多数の緑白色の小花をつける。雌雄異株。雌雄両花とも萼はほぼ球状の壺形で先端は5裂し,広卵形花弁が5枚ある。雄花では5本のおしべがあり,めしべより長い。雌花ではめしべの柱頭が4裂する。子房は2室でおのおの2胚珠がある。果実は広楕円形蒴果で,熟すると果皮が基部から裂け赤い種子が出る。

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