内臓料理のことで,〈もつ〉は臓物の略。ただし,食肉以外の可食部分で,通常は内臓とはいわない脳,舌,足,尾などを使うものをこの名で呼ぶこともある。内臓類は栄養価が高く,独特な味わいがあるので,欧米諸国では,苦みの強い胆囊や鳥類の肺臓などを除いて,牛,豚,羊,子牛,子羊,鶏などの内臓のほとんどを食べている。内臓料理をつくる際の注意としては,まず腐敗が早いので,色,つやのよい新鮮なものを選び,買ってきたものは早く使いきるようにすることである。また全般的に特有の臭みがあるので,流水や塩水にさらしたり,ゆでたりして血抜きをし,あるいは牛乳につけるなどの下調理をする必要がある。
部位別にみると,肝臓(レバー)は子牛,鶏,豚のものがよく用いられる。血抜きして薄い膜をはがし,薄切りにしてバターでソテーにしたり,子牛の場合は丸ごと蒸し煮,豚はレバーペーストなどにする。腎臓(キドニー)は,とくに子牛のものが柔らかく,くせがない。まわりを包んでいる脂身(ケンネ脂)と中心に入りこんでいる脂身を取り除き,丸のまま,あるいは薄切りにしてソテーや串(くし)焼き,またパイに入れたりする。胃はおもに牛のものを用いる。牛の四つの胃は,それぞれ形が違うが,いずれも水にさらして下ゆでしたあと,煮込みやソテーなどにする。脳は子牛と子羊のものがよい。乳白色で柔らかく,表面に血が付着しているので水にさらして血抜きし,ブーケガルニ,塩,酢などとともにゆでたあと,ムニエル,フライなどにする。胸腺は,子牛と子羊にしかなく,柔らかくてくせが少ない。水にさらしたあと下ゆでして表面の脂や膜を除き,ソテーや蒸し煮などにする。このほか,豚や羊の腸をソーセージなどに用いたりする。
→焼鳥
執筆者:辻 静雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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