ももたまな(その他表記)Terminalia catappa L.

精選版 日本国語大辞典 「ももたまな」の意味・読み・例文・類語

もも‐たまな

  1. 〘 名詞 〙 シクンシ科の大高木。小笠原、沖縄以南の熱帯砂地海岸に生え、防風林街路樹ともする。高さ約一五メートル。葉は枝先に集まり、長さ二〇~二五センチメートルの倒卵形で全縁。秋に紅葉して落葉する。七月頃枝先に穂状花序をつけ、淡緑白色の小花をつける。果実は扁楕円形で長さ三~六センチメートル。材は建材などにし、樹皮からタンニンを得る。

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改訂新版 世界大百科事典 「ももたまな」の意味・わかりやすい解説

モモタマナ
Terminalia catappa L.

樹高10~35m,直径60cm~1mになるシクンシ科の半落葉高木。別名コバテイシシマボウ。アジアからポリネシアの熱帯~亜熱帯の海岸に広く分布し,沖縄諸島,小笠原諸島にまで達する。人家周辺や並木としてもよく植えられ,水平に輪生する枝と大きい葉が特徴的である。葉は長さ20~30cmの倒卵形,全縁で,枝先に集まって互生する。落葉前に紅葉する。花は淡黄白色で小型,葉腋(ようえき)に生じた長さ8~16cmの穂状花序の下方には雌花が,また上方には雄花がつく。果実は長さ3~5cmの楕円形の石果,やや扁平で2稜がある。果実が潮流に運ばれて繁殖する。かたい核の中に脂肪分に富んだ緑色の胚があり,アーモンドの風味をもち炒(い)って食べる。材は気乾比重約0.64,灰褐色で,家や舟をつくるのに用いる。モモタマナのモモは桃,タマナはタヒチ語でオトギリソウ科テリハボクを意味するtamanuから来ている。テリハボクもモモタマナ同様に広い分布域をもつ海岸の樹木で,小笠原の米系住民はこれをヒータマナhe-tamana,モモタマナのことをシータマナshe-tamanaと呼ぶ。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ももたまな」の意味・わかりやすい解説

モモタマナ(桃玉菜)
モモタマナ
Terminalia catappa

シクンシ科の落葉高木。旧大陸の熱帯,亜熱帯地方に広く分布する。日本では琉球列島と小笠原諸島に自生し,しばしば栽植もされる。枝が水平に出て大きく広がる。互生する葉は枝先に集り,枝の基部には落葉痕が目立つ。葉身は長さ 25~30cmもの倒卵形で質は厚く,表面は光沢のある濃緑色で落葉前に紅葉する。しかし一斉に紅葉するのではなく,古い葉が個別に紅葉して緑葉に交る。枝先に長い花穂を出し,淡黄色の小花を多数つける。萼片は5枚で,花弁はない。果実はやや扁平な楕円形で両側は稜となり,モモの核に似る。沖縄ではコバテイシの名で呼ばれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ももたまな」の意味・わかりやすい解説

モモタマナ
ももたまな

コバテイシ

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