モリル法(読み)もりるほう(英語表記)Morrill Act

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モリル法」の意味・わかりやすい解説

モリル法
もりるほう
Morrill Act

アメリカで南北戦争中に制定された、農科大学設立を目的とした公有地払下げの法律。イリノイ州の教育・農業改革家ジョナサン・B・ターナーが長年提唱してきた計画を、バーモント州選出下院議員モリルJustin Smith Morrill(1810―98)が法案として議会に上程し、1862年、大統領リンカーンの署名を得て成立した。この法律では、連邦側(北部)の各州は、連邦議会議員1名につき3万エーカー(1万2140ヘクタール)の公有地の交付を受け、農科大学の新設と強化にあたることが定められている。これによって設置、強化された大学(土地交付大学land grant college)は、イリノイ大学カリフォルニア大学、マサチューセッツ大学、アイオワ州立大学など69大学に上る。

平野 孝]

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