や座(読み)やざ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「や座」の意味・わかりやすい解説

や座
やざ / 矢座

夏の終わりごろの宵、南の中天高く見える小星座で、トレミー星座プトレマイオスの48星座)の一つ。全体にY字形を細長く伸ばしたような形をしている。

 わし座はくちょう座の間の、天の川の中に位置し、双眼鏡で見ると微光星がにぎやかに瞬いて見える。望遠鏡では、球状星団としては星のまばらなM71が興味深く見られる。神話ではこの矢の持ち主は愛の神エロスキューピッド)となっている。また、ワシに苦しめられるプロメテウスを救うためにヘラクレスが放った矢ともされている。

[藤井 旭]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「や座」の意味・わかりやすい解説

や座
やざ
Sagitta

矢座9月の宵に南中する北天星座。概略位置は赤経 19時 40分,赤緯 18°。変光星が多い。4等星以下の小さな星から成り,北東方向に向いて矢の形をなす。ギリシア神話ではエロスの持つ矢になっている。

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