日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゆう活」の意味・わかりやすい解説
ゆう活
ゆうかつ
政府が推進する働き方改革の一環として導入された「夏の生活スタイル変革」の通称。「ゆうやけ時間活動推進」の略である。具体的には、日照時間の長い7月と8月の2か月間、出勤と帰宅を1~2時間ほど早める朝型勤務のことをさす。2015年(平成27)は7月1日から全国の国家公務員約51万人を対象にして導入された。夕方の時間を有効に活用し、子育てや介護、自己啓発、余暇など、仕事以外の過ごし方も充実させる働き方へと変革を促すことが目的である。各職場で、早朝勤務の日を事前に申請するなどして調整し、夕方からの会議を減らすなどの対応がとられた。
初年度は、霞が関にある中央省庁の職員約4万人のうち、およそ6割がゆう活に参加し、小さな子供のいる親世代や消費者庁などの女性職員の多い職場で好評を得たという。長時間労働があたりまえとなっている中央省庁で、早く帰ろうという意識が生まれた意義は大きい。
厚生労働省では、一般企業へのこのような朝型勤務の導入を推進するため、労働時間等設定改善指針(通称、労働時間等見直しガイドライン)の改定を検討している。一般の企業が朝型勤務を導入した場合には、従業員の総労働時間を短縮して私生活の充実を図るよう促すことが最大の目的であるが、近年の夏季の気象条件などを考慮すると、このほかにも、仕事の能率向上や残業時間の減少、電気使用量の削減など、さまざまな効果があると予測される。
[編集部 2016年6月20日]