ユングシュティリング(その他表記)Johann Heinrich Jung-Stilling

改訂新版 世界大百科事典 「ユングシュティリング」の意味・わかりやすい解説

ユング・シュティリング
Johann Heinrich Jung-Stilling
生没年:1740-1817

ドイツの敬虔主義者,眼科医,財政学者。本名ユングJohann Heinrich Jung。人生に絶えざる神の導きを認めた《自伝》6巻(1777-1817)の第1巻は,ゲーテの賞賛するところとなり,小説郷愁》(1794-97)は,宗教的覚醒運動に影響を与えた。夢や予言関心を抱き,《心霊学の理論》(1808)などを書く。ロシアアレクサンドル1世らと親交を結ぶと同時に,無料の白内障手術で貧しい人を助けた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ユングシュティリング」の意味・わかりやすい解説

ユング=シュティリング
Jung-Stilling, Johann Heinrich

[生]1740.9.12. グルント
[没]1817.4.2. カルルスルーエ
ドイツの作家。貧窮のなかから身を起し,苦学の末一流の眼科医となり,さらにマールブルク大学財政学教授に任じられ,晩年はバーデン公国の枢密顧問官をつとめた。シュトラスブルクの医学生時代 (1769~72) にヘルダー,ゲーテと知合い文学に目ざめた。『ハインリヒ・シュティリングの青春時代』 Heinrich Stillings Jugend (77) に始る一連の自伝的作品のほか,敬虔主義的心情のこもった散文や詩を多数書いた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ユングシュティリング」の意味・わかりやすい解説

ユング・シュティリング
ゆんぐしゅてぃりんぐ
Jung-Stilling
(1740―1817)

ドイツの小説家。本名ヨハン・ハインリヒ・ユング。ウェストファーレンのヒルヒェンバッハ近郊に生まれる。小学校教師、町工場主の番頭などの職を経たのち医学を学んで開業医となり、さらに経営学の大学教授に転じた。友人ゲーテの世話で出版された『ハインリヒ・シュティリングの幼年時代』(1777)とその続編全六巻は、敬虔(けいけん)主義的色彩の濃い自伝小説として知られる。

[伊藤利男]

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