よど号ハイジャック事件(読み)ヨドゴウハイジャックジケン

デジタル大辞泉 「よど号ハイジャック事件」の意味・読み・例文・類語

よどごう‐ハイジャックじけん〔よどガウ‐〕【よど号ハイジャック事件】

昭和45年(1970)に起きた日本最初航空機ハイジャック事件。模造拳銃や日本刀などで武装した共産主義者同盟赤軍派の活動家9人が、東京発福岡行きの日本航空機を乗っ取り、乗員乗客129人を人質に取って、北朝鮮へ向かうよう要求福岡空港および韓国金浦空港で乗客と客室乗務員を開放した後、平壌郊外の美林ミリム飛行場着陸させ、亡命した。「よど号」は乗っ取られた航空機の愛称

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共同通信ニュース用語解説 「よど号ハイジャック事件」の解説

よど号ハイジャック事件

1970年3月31日、羽田発福岡行きの日航機「よど号」が、赤軍派メンバー9人に乗っ取られた、日本で初めてのハイジャック事件。9人は北朝鮮にとどまり、70年代に合流した日本人妻8人との間に、計18人の子どもが生まれた。子どもは2001年以降に全員が日本に帰国。メンバーのうち5人は死亡した。リーダー小西隆裕こにし・たかひろ容疑者ら4人とメンバーの妻2人が北朝鮮に残っている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「よど号ハイジャック事件」の意味・わかりやすい解説

よど号ハイジャック事件
よどごうハイジャックじけん

1970年3月31日,共産主義者同盟赤軍派の田宮高麿ら 9人が,羽田発福岡行き日本航空 351便『よど』号(乗客 122人,乗員 7人)をハイジャックした事件。赤軍派は午前7時33分頃,富士山付近を飛行中に旅客機を乗っ取り,朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のピョンヤン(平壌)特別市に行くよう要求した。石田真二機長は燃料不足を理由に午前8時55分頃福岡空港に着陸。ここで乗客のうち高齢者や幼児とその保護者らを解放し,午後2時頃再び離陸,北朝鮮に向かった。しかし北朝鮮領空内で対空砲火と戦闘機の追跡を受けたため南下,午後3時15分頃に大韓民国(韓国)ソウル特別市のキンポ(金浦)空港に着陸した。韓国当局は乗客救出をはかり,空港の表示を隠して平壌空港に偽装しようと試みたが,赤軍派側に偽装が発覚。赤軍派は 3日間たてこもったのち,4月2日午後6時頃,交渉にあたった山村新治郎運輸政務次官を身代わりに乗客,乗員らの解放を決めた。3日午後6時頃に金浦空港をたったよど号は午後7時20分頃,ピョンヤンのミリム(美林)飛行場に到着。5日,残りの乗員と山村次官を乗せ無事日本に帰国した。犯行メンバーらは北朝鮮側から政治亡命として処遇され,その後の北朝鮮による日本人拉致事件にも関与したとみられている。日本政府は,現在も北朝鮮に居留する犯行メンバーの身柄引き渡しを要求している。

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