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アルプス地方で歌われている独特の歌唱法、およびそれを含んだ楽曲形式をいう。胸声と裏声(ファルセット)を急速に交代させる歌い方に特色がある。意味のない音節で歌われ、曲の一部分(とくに最後のリフレーンの部分)に用いられることが多いが、一曲すべてがヨーデルのみで歌われるものもある。またソロのヨーデルをドローン合唱のうえに浮かび上がらせる歌い方や、ヨーデルの二重唱、三重唱もみられる。その起源は明らかではなく、牛飼いの動物への掛け声や仲間への通信手段、魔除(よ)け、あるいはアルペンホルンの模倣によるなどさまざまな説がある。また類似の歌唱法は世界各地にあり、アフリカのピグミーの合唱やメラネシアにおけるものが有名である。日本でも青森県津軽の民謡『ホーハイ節』において、よく似た歌唱法が部分的に使用される。
[田井竜一]
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…第1にヨーロッパの分水嶺としての位置から,ドイツ・オーストリア,フランス,イタリアの影響を受けながら総合をもたらしていること。第2は山国という自然の要塞としての住居が民俗音楽の伝承を比較的安泰に守り,アルペンホルンやヨーデルなど,アルプスの音楽習俗を今日に保っている。 中世のスイスはフランス,イタリア(ミラノ)の典礼から影響をうけ,北東部ザンクト・ガレン修道院で独自の貢献を教会音楽,特にセクエンティアの領域でなした。…
…16世紀の多声音楽では,アルトやソプラノがファルセットによって歌われ,カストラートに対して〈自然な声〉と呼ばれた。こうした習慣は19世紀まで続き,今日でもイギリスの男声合唱〈グリー〉や,音色効果を生かして民俗音楽(スイスのヨーデルなど)に使われている。【井形 ちづる】。…
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