肺音の一種。囉音とも呼ばれ,呼吸器(肺や気管支)の病的状態の際にだけ発生する副雑音adventitious lung soundのこと。ラッセル音の分類は各国によってさまざまであり,必ずしも統一がとれているわけではないが,いずれもフランスのR.T.H.ラエネクによる《間接聴診法》(1819)の記載が出発点となっている。ラエネクの分類はやがてJ.フォーブズによってイギリスを経てアメリカやヨーロッパ各地へ広がった。日本の分類はドイツの伝統的なクレンペラー診断学教科書に直接由来している。
ラッセル音は大別して,断続的でパルス様の音と,連続的な音とに分けられる。前者はさらに粗いブツブツいう音と細かなプツプツいう音に分けられ,後者は音色の高いものと低いものとに分けられ,それぞれ名称が与えられている。肺聴診では,これらの音を聴き分け,呼吸音breath soundの変化を加味して診断される。最近の肺音研究の進歩のなかでラッセル音の発生機序の解明が試みられ,国際的な用語統一の気運も起こっている。
→肺音
執筆者:工藤 翔二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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