日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラブラドル半島」の意味・わかりやすい解説
ラブラドル半島
らぶらどるはんとう
Labrador
カナダ東部の大半島。大西洋、ハドソン海峡、ハドソン湾、セント・ローレンス湾に囲まれる。東側の大西洋沿岸はニューファンドランド州、中部以西はケベック州に含まれる。面積約138万平方キロメートル。ほぼ全域が地球上でもっとも古い片麻(へんま)岩、結晶片岩で構成され、安定した陸塊のカナダ楯状地(たてじょうち)(ローレンシア高地)の東部を占める。最高点はディバービル山(1646メートル)で、標高300~1500メートルの地域が広がる。氷河期に覆った大陸氷の侵食による無数の氷河湖がある。北部は低木・地衣ツンドラ地域、南部は針葉樹林帯である。居住地は鉄鉱を産し、セント・ローレンス湾岸に鉄道で通ずるシェファービル、ワバシュ、ガグノン、東岸のグースベイ、北岸のフォートシモなどがおもなもので、ハドソン湾岸、アンガバ湾にはイヌイットが居住する。南部では水力開発が盛んであり、最近は沖合いで天然ガスの開発が進められている。
[大竹一彦]