ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラリック」の意味・わかりやすい解説
ラリック
Lalique, René
[没]1945.5.5. パリ
フランスの工芸家。パリの装飾美術学校に学び,1885年パリに宝飾工房を開く。 19世紀末におけるフランスのアール・ヌーボーの美術運動の推進者で,金,銀,七宝,宝石などあらゆる種類の材料を使って優美で幻想味豊かな宝飾品や工芸品を制作。一方,精巧な彫金を施した鋳型にガラスを吹込む型吹きガラスを完成し,1900年パリ万国博覧会に出品して注目を浴びた。 20年ガラス工房を手に入れ,表面はサンドブラストでマットし,凸面をバフ仕上げしてガラスの光沢を生かす独特の技法や,銀細工を併用した作品を発表。これらの技法は 1920年代に各国のガラス工芸に影響を与えた。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報