ランタナ(読み)らんたな

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ランタナ」の意味・わかりやすい解説

ランタナ
Lantana camara; lantana

クマツヅラ科の小低木で,熱帯アメリカとアフリカの原産。本来は属の名で,約 150種の総称であるが,普通はそのうちの1種 L. camaraを単にランタナと呼ぶ。日本では鉢植にして温室に栽培されることが多い。南西諸島小笠原諸島などの暖地では戸外生垣などに栽培し,またしばしば逸出して野生化している。茎は四角であらい毛があり,また小さいとげがまばらに生えている。葉は対生し長さ 6cm内外の卵形で先はとがり,縁に鋸歯がある。夏から秋にかけて,葉腋から長い花茎を出し,先に多数の小花が散形状に密生する。花冠は初め黄色または淡紅色で,のちに橙色または濃赤色に変る。このためおのおのの花序のなかで中心部が淡色で外周部が濃色になる。和名としてコウオウカ (紅黄花) とも,またシチヘンゲ (七変化) とも呼ばれるのはこの花色の変化に基づく。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ランタナ」の意味・わかりやすい解説

ランタナ
らんたな
[学] Lantana

クマツヅラ科(APG分類:クマツヅラ科)の常緑低木。熱帯・亜熱帯アメリカ原産。日本ではシチヘンゲ(七変化)L. camara L.が栽培される。葉は対生し、卵形で長さ2~9センチメートル、縁(へり)に鋸歯(きょし)がある。葉腋(ようえき)から径7~8ミリメートルの小花が集まって開き、花笠(はながさ)状を呈する。花穂の中心から開花し、花色は初め黄色または淡紅色であるが、しだいに橙(だいだい)色または濃赤色に変わる。シチヘンゲの名は、この花色の変化に由来する。

 日当りと水はけのよい所でよく育つ。耐暑性はあるが耐寒性はないので、冬季は室内で管理する。繁殖挿木による。

[金子勝巳 2021年10月20日]


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