ランディーニ(読み)らんでぃーに(英語表記)Francesco Landini

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ランディーニ」の意味・わかりやすい解説

ランディーニ
Landini, Francesco

[生]1325頃.フィエゾーレ
[没]1397.9.2. フィレンツェ
イタリアの作曲家。幼少の頃天然痘で盲目になったが,哲学,占星学,音楽を学び,1364年のベネチアの詩の競技会で優勝した。生涯未詳であるが,オルガネット (小型のポータブルオルガン) の名手として知られた。 141曲のバラータ,11曲のマドリガルなど,ポリフォニックな多声歌曲にすぐれ,14世紀イタリアの代表的作曲家とされる。装飾的なメロディーで,優雅で明るい作風が特徴。彼の名を取って呼ばれる「ランディーニ終止」は,彼の音楽に多くみられる終止ではあるが,当時一般に行われたもので彼固有のものではない。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ランディーニ」の意味・わかりやすい解説

ランディーニ
らんでぃーに
Francesco Landini
(1325ころ―1397)

イタリアの作曲家。フィレンツェまたはフィエーゾレに生まれる。幼いころ天然痘のために失明したが、音楽の勉強に励み、1361年にはフィレンツェのサンタ・トリニタ修道院のオルガン奏者となり、死ぬまでフィレンツェで活躍した。ランディーニは14世紀イタリアにおけるもっとも重要な作曲家で、14世紀前半につくられ始めたマドリガーレカッチャなどの多声歌曲も手がけたが、同時代のフランス音楽影響を受けた多声歌曲であるバラータを多数作曲し、この分野の代表的な存在として知られている。

[今谷和徳]

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