改訂新版 世界大百科事典 「ラージェーンドラ1世」の意味・わかりやすい解説
ラージェーンドラ[1世]
Rājendra Ⅰ
生没年:?-1044
南インドのチョーラ朝の国王。在位1016-44年。父王ラージャラージャ1世と共同で2年間統治したのち王位につき,その後約30年間インド内外に威勢を高めた。先代に続いて領土拡大を行い,南方ではケーララ,セイロンの攻略を続けた。また,北方ではチャールキヤ朝南部の地に侵攻し,さらにカリンガ王国からベンガルに入り,1023年にはその王マヒパラを破ってガンガー(ガンジス)河畔にまで至った。そのため王はみずからガンガイコンダ(〈ガンガーを手に入れた〉者)と称し,またカーベーリ下流域に造営した新都をガンガイコンダチョーラプラム(〈ガンガーを手に入れたチョーラの都〉)と呼んだ。1025-27年には下ビルマを征し,さらに海軍を送ってアンダマン,ニコバル両諸島を併合した。また東南アジア貿易を確保するために,当時スマトラを中心に繁栄していたスリウィジャヤ王国に遠征軍を送り,これを支配した。中国にも3度使節を送っている。
執筆者:重松 伸司
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報