リアトリス(読み)りあとりす(英語表記)gay-feather

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リアトリス」の意味・わかりやすい解説

リアトリス
りあとりす
gay-feather
blazing star
snakeroot
[学] Liatris

キク科(APG分類:キク科)リアトリス属の総称。北アメリカ原産の耐寒性多年草。根は塊茎状を呈するものが多い。約40種知られ、和名キリンギク、マツカサギクユリアザミの名でよばれるものがある。よく知られるスピカータL. spicata Wild.は高さ1.6メートル以上に達する。葉は線状で多数つき、上部にいくほど小形になる。6~7月、茎の上部に穂状に頭状花をつける。花は紫桃色で白色花の品種もある。またリグリスティリスL. ligulistylis Schum.は、高さは前種より低く、約45センチメートル。頭状花は半球状で大きく、茎の上部に総状花序につく。スカリオサL. scariosa Wild.とともにタマザキリアトリスとよばれる。なおスカリオサはマツカサギクともよばれる。

 栽培は容易で耐寒性も強く、日当りのよい所では土質を選ばない。繁殖は一般に実生(みしょう)により、4~5月、畑に播種(はしゅ)する。株分けもできる。

[岡田正順 2022年5月20日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リアトリス」の意味・わかりやすい解説

リアトリス
Liatris; gayfeather

キク科のユリアザミ属の属名で北アメリカ原産で約 30種が知られている。そのうち,観賞用に栽培されるのはユリアザミ L. pycnostachya,キリンギク L. spicataなど数種である。いずれも耐寒性の多年草で地下の根は塊茎状をなし,そこから単一またはまばらに分枝した茎を生じる。切り花,花壇用に栽培される。葉は線形,全縁で互生する。頭花には舌状花はなく桃紫色または白色で管状花から成り,長い穂状または総状花序となる。痩果は 10稜あり,冠毛は剛毛から成る。タマザキリアトリス L. ligulistylisは北アメリカの中西部に分布し,6~7月,総状花序に紅紫色の花をつける。ユリアザミ (別名ヒメキリンギク) は紫色の管状小花3~6個で頭花をつくり穂状花序となる。マツカサギク L. scariosaは半球状で多数の頭花を9月頃に開く。

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