改訂新版 世界大百科事典 「リコー」の意味・わかりやすい解説
リコー[株]
複写機のトップクラスのメーカー。前身は,1936年理化学興業の感光紙部門が分離独立して東京本駒込に設立された理研感光紙(株)である(1953年,大森に移る。現在の本社は東京都中央区)。当時理研の感光紙は,日本,イギリス,アメリカ,カナダの特許をもつ発明で競争力が強く,37年には同業の川合商会,吉村商会など5社を合併,企業規模を拡大した。38年理研光学工業(株)と改称,カメラの製造を開始した。第2次大戦後も,国内設備が戦災に遭わなかったため再建も早く,51年には感光紙市場でシェアがトップとなった。光学部門でも,関連会社の旭精密工業が1950年に開発したリコーフレックスの大量生産を54年から開始した(旭精密工業も吸収合併)。55年には事務用ジアゾ式複写機を開発,59年にはアメリカのRCA社との技術提携により,シート式磁気録音装置リコーシンクロファクスなどを完成,情報機器部門に進出した。65年には湿式電子複写機電子リコピーを発売,複写機業界における地位を確たるものにした。その後オフィス・コンピューター,ワープロなどOA機器へと業務内容を多角化している。資本金1354億円(2005年9月),売上高1兆8141億円(2005年3月期)。
執筆者:徳田 賢二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報