サルディス(読み)さるでぃす(英語表記)Sardis

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サルディス」の意味・わかりやすい解説

サルディス
さるでぃす
Sardis

トルコ西岸、エーゲ海に面した町イズミル(古代名スミルナ)の東約86キロメートルにあった、リディア王国の都。紀元前7~前6世紀には小アジアにおける政治的、経済的中心地であった。サルディスは前546年アケメネス朝ペルシアの侵略で崩壊、前334年アレクサンドロスの攻略を受けている。前180~前130年にはペルガモン王国に編入された。1910~14年にアメリカのH・C・バトラーが、アルテミス神殿、1000を超す王国時代の墳墓を調査し、58年以降アメリカのG・M・A・ハンフマンが、3世紀前半のシナゴーグユダヤ教礼拝堂)、ギムナジウム(体育館)、スタジアム(競技場)、そしてそれらの南西部で前554年ごろの神官団のものと推測される建築址(し)、ローマ時代の一般住居址群、浴場址などを発掘している。

大村幸弘

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サルディス」の意味・わかりやすい解説

サルディス
Sardis; Sardeis

小アジア,リュディア古代都市。現トルコのイズミル近郊。交通の要地にありリュディア王国の首都として小アジアの政治的中心地であった (前7~6世紀頃) 。リュディア滅亡後アケメネス朝ペルシアの大守がおかれ,ダレイオス1世の築いた王の道通り,引続き繁栄。前 133年にローマ領となり,属州リュディアの州都および司法行政の中心都市となった。 17年地震で破壊されたが,その後再建され,ビザンチン時代後期まで存続した。新約聖書黙示録』の「七つの教会」のうちの一つの所在地であり最古の金銀貨幣の製造地としても有名。

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