日本大百科全書(ニッポニカ) 「リトポン」の意味・わかりやすい解説 リトポンりとぽんlithopone 硫化亜鉛と硫酸バリウムの混合物からなる白色顔料。硫化バリウム溶液に硫酸亜鉛溶液を加えて反応させると前記のものが共沈する。これを洗浄、濾過したのち乾燥し、空気を断ってついで800℃前後で焼き、水中に投じ急冷させて得る。隠蔽(いんぺい)力、着色力とも良好、耐水性、耐アルカリ性にも優れるが、希酸には侵される。水と練って太陽光線を照射すると黒変する。 日本では公害防止施設費の高騰などで採算があわず、1973年(昭和48)7月に生産が中止され、主として中国、ドイツから輸入されている。大部分が白色ペイントとして用いられる。[大塚 淳][参照項目] | 顔料 | 硫化亜鉛 | 硫酸バリウム 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リトポン」の意味・わかりやすい解説 リトポンlithopone 白色顔料の一種。硫酸バリウムと硫化亜鉛を混合した白色の粉末。塗料,ゴム,リノリウムなどの着色剤として使用。硫化亜鉛の含有量が多くなるにしたがって被覆力,着色力が大きくなる。白さ,被覆力,着色力では亜鉛華に劣らないが,酸や外気に弱く,耐光性の小さいのが欠点。近年は塗料にはあまり用いられない。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報