改訂新版 世界大百科事典 「リルバーン」の意味・わかりやすい解説
リルバーン
John Lilburne
生没年:1615-57
イギリス,ピューリタン革命期のレベラーズ(水平派)の指導者。ダラムのジェントリーの次男に生まれ,1630年ころロンドンの織物商の徒弟となった。ピューリタン文書を密輸入したかどで逮捕されむち打ちの刑をうけたが,この体験をキリストの戦士という自覚に転化した。ピューリタン革命の勃発により釈放され,内戦が始まると議会軍に参加したが45年に軍隊を離れ,革命的民主主義のパンフレット作家として活躍した。ロンドン市政民主化運動の先頭にも立ち,内戦で議会派が勝ち,革命陣営が分裂するようになると,レベラーズの指導者となり,自然権,人民主権,成年男子普通選挙権などを基本とした革命憲法〈人民協約〉の執筆に参加した。革命議会を批判したためにたびたび投獄されたが,その合間にロンドン市の参事会員に選出され,また地方の農民闘争も支援した。52年オランダに亡命したが,帰国すると逮捕され,獄中でクエーカーの神秘的な静寂主義へ転向し,まもなく他界した。
執筆者:田村 秀夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報