リンゲルナッツ(英語表記)Joachim Ringelnatz

改訂新版 世界大百科事典 「リンゲルナッツ」の意味・わかりやすい解説

リンゲルナッツ
Joachim Ringelnatz
生没年:1883-1934

ドイツのノンセンス詩人。本名Hans Bötticher。ライプチヒの東,ウルツェンに生まれる。ギムナジウム中退後船員を振出しに職業を転々とし,1909年より寄席の専属詩人。日常的でささいなもの,卑俗なものを題材におどけた詩を書いた。ブルジョア批判とペーソスのぬくもりに特徴がある。代表作詩集《嗅ぎ煙草入れ》(1912),《クッテル・ダッデルドゥ》(1920)などがある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リンゲルナッツ」の意味・わかりやすい解説

リンゲルナッツ
りんげるなっつ
Joachim Ringelnatz
(1883―1934)

ドイツの詩人。ライプツィヒ近郊に生まれる。ギムナジウムを中退した船員あがりのボヘミアンで、放浪無頼の生涯を送った。マンドリンを背にミュンヘンベルリンの「文士キャバレー」を渡り歩き、自作の詩を朗読。『体操詩』(1920)、『クッテル・ダッデルドゥ』(1920)、『悪戯(いたずら)読本』(1931)など、その作品にはナンセンスで大胆な道化、センチメンタルな叙情、深い孤独と憂愁が表れている。

[幅 健志]

『板倉鞆音訳『リンゲルナッツ詩集』(1966・思潮社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リンゲルナッツ」の意味・わかりやすい解説

リンゲルナッツ
Ringelnatz, Joachim

[生]1883.8.7. ブルツェン
[没]1934.11.17. ベルリン
ドイツの詩人,画家。本名 Hans Bötticher。高校を終えるとすぐ船に乗込み,その合間に次々と 30種にも上る雑多な職業につきながら海外も含む各地を放浪した。 1909年以後はミュンヘンを皮切りに各都市のキャバレーで,おどけてもの悲しく辛辣な即興詩を朗読して生計を立て,同時に画家としても活躍した。『体操詩集』 Turngedichte (1920) ,『クッテル・ダッデルドゥー』 Kuttel Daddeldu (20) などの詩集が有名。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android