その場の状況、雰囲気などに応じて即興的につくられた詩。即興詩という特別な詩のジャンルがあるわけではないが、詩の重要な要素として発達してきた。その代表的なものは、印刷技術が発明される以前の中世ヨーロッパで活躍したジョングルール(吟遊楽人)であろう。彼らは衆人の前で手品、軽業(かるわざ)を演じた芸人であったが、自作ないしは他人のつくった詩、小咄(こばなし)、物語を宮廷、街頭、宿場などでアド・リブを加えて吟じたり、物語ったりした職業的な語り手でもあった。この遺産は南フランスのトルーバドゥールや北フランスのトルーベール(ともに吟遊詩人)に受け継がれた。
日本においても即興詩の歴史は古い。平安時代の、2人の即興的な唱和によって成り立つ短連歌、鎌倉時代以後の何人かの連衆が参加する長連歌がある。長連歌は今日、レンガRengaとして世界的に評価されている。また、一昼夜の独吟4000句を収めた『西鶴大矢数(さいかくおおやかず)』も無視しえない。
追悼歌、祝婚歌、旅中吟、酒中吟、落首など、即興詩は広範囲に活用される。短詩の名手だった堀口大学には、恵贈詩書の礼状として書かれた「『鴉猫』の著者へ」という詩編もある(『秋黄昏(あきこうこん)』所収)。
[窪田般彌]
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