ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルフィヌス」の意味・わかりやすい解説
ルフィヌス
Rufinus, Tyrannius
[没]410/411. メッシナ近郊
キリスト教の司教,翻訳者,著述家。ローマで学び,ヒエロニムスと親交を結び,20歳のときアキレイアで修道士となった。 373年エジプトに旅してオリゲネスの神学を知った。 378年パレスチナにおもむき,修道院を建て,司祭となった。 390年代前半にオリゲネスをめぐる論争に巻込まれヒエロニムスと激しく対立した。 397年オリゲネスの『原理論』のラテン訳を出してから論争は再燃し,教皇に召喚され『弁明』 Apologiaを書いた。ほかにもギリシア語で書かれた神学書のラテン訳を行なっており,そのなかにはオリゲネスの聖書注解や説教,バシレイオス,ニッサのグレゴリウスの説教,エウセビオスの『教会史』などが含まれている。
ルフィヌス
Rufinus, Flavius
[没]395.11.27. コンスタンチノープル
ローマ皇帝アルカディウスの宰相。ガリア人。先帝テオドシウス1世がルフィヌスを息子アルカディウスの第1の後見人として指名したが,まもなくもう1人の息子ホノリウスの後見人とされた西ローマ軍の司令官 F.スチリコと対立。ルフィヌスはひとり娘をアルカディウスにとつがせてみずからの地位を強化しようとしたが妨げられ,コンスタンチノープルに派遣されたスチリコの軍隊によって殺された。
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