レイノ
Eino Leino
生没年:1878-1926
フィンランド詩文学の巨匠。本名リョンボームArmas Eino Leopold Lönnbohm。12歳で詩作を始め,17歳のとき《三月の歌》(1896)で文壇に登場する。すぐに大学を中退して青年文学集団に属し,新聞記者のかたわら,詩作,A.フランス,ダンテ,ゲーテほかの翻訳,批評,エッセー,戯曲にと縦横に活躍した。《カレワラ》などの伝承詩に素材を求め,西欧シンボリズムと新ロマン主義の結合を思わせる詩風はいっそう磨かれ,《火祭賛歌》第1巻(1903)で結晶した。フィンランド語の詩的表現力を飛躍的に高め,初の本格的フィンランド語詩といわれ,後世に大きな影響を与えた。のち,帝政ロシアによるフィンランドのロシア化に抗する激動の時期に失意の離婚が重なり,自信に満ちたニーチェ風の超人観は消え,悲壮な孤独感漂う《冬夜》(1905),《霜》(1908)を経て,イタリア遊学後,神話の人物に託して人間に失望したくない苦しみを叫んだ《火祭賛歌》第2巻(1916)で,ふたたび詩人の魂を取り戻した。
執筆者:高橋 静男
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レイノ
れいの
Eino Leino
(1878―1926)
フィンランドの詩聖。本名はArmas Eino Leopold Lönnbohm。パルタモの生まれ。12歳で詩作を始め、17歳で『三月の歌』(1896)でデビュー。すぐに大学を中退して青年文学集団に属し、新聞記者をしながら、詩作、A・フランス、ダンテ、ゲーテほかの翻訳、批評、エッセイ、戯曲にと活躍した。『カレバラ』ほかの民族叙事詩に素材を求め、西欧シンボリズムと新ロマン主義の結合を思わせる詩風がいっそう磨かれ、『火祭り賛歌I』Helkavirsi(1903)で結晶した。フィンランド語の詩的表現力を飛躍的に高め、初の本格的フィンランド語詩といわれ、後世に大きな影響を与えた。その後、ロシア治下の社会の激動期と失意の離婚が重なり、自信に満ちたニーチェ風の超人観は消え、悲壮な孤独感の漂う『冬夜』(1905)、『霜』(1908)を経て、イタリア遊学後、神話の人物に託して、人間に失望したくない苦しみを叫び続けた。『火祭り賛歌Ⅱ』(1916)で、ふたたび詩人の魂を取り戻した。
[高橋静男]
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レイノ
Leino, Eino
[生]1878.6.6. パルタモ
[没]1926.1.10. ヌプリンナ
フィンランドの代表的抒情詩人。本名 Armas Eino Leopold Lönnbohm。 12歳で詩作を始め 18歳で処女詩集『3月の歌』 Maaliskuun lauluja (1896) を発表するほど早熟であった。ヘルシンキ大学入学後すぐに中退して青年文学者集団に参加し,詩作のかたわら新聞・雑誌の記者をしたり,アナトール・フランス,ダンテ,ゲーテらの翻訳を手がけて精力的に活躍。ルネベルイやハイネの影響を受け,フィンランドの民族叙事詩『カレワラ』や抒情詩集『カンテレタル』の民俗臭の強い詩体に近代性をもたせることによって独自の詩風を完成し,フィンランド抒情詩の近代化を推進した。代表作は『蜃気楼』 Kangastuksia (1902) ,民俗行事の歌行列に取材した『祝祭歌』 Helkavirsiä (2巻,03,16) など。
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レイノ
フィンランドの詩人。12歳で詩作を始め,ダンテの《神曲》,ラシーヌ,ゲーテの翻訳を行い,小説,戯曲も書いた。詩集《三月の歌》《夜鷹》《百一の歌》を経て,《蜃気楼(しんきろう)》で古代詩歌調の新境地を見いだし,古代民謡や宗教的物語詩を近代化した《火祭賛歌》(1903年,1916年)で頂点に達した。
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