レゾルシン(その他表記)resorsin

デジタル大辞泉 「レゾルシン」の意味・読み・例文・類語

レゾルシン(〈ドイツ〉Resorcin)

フェノール類の一。無色結晶。光や空気に触れると淡紅色になり、塩化鉄により紫色に着色する。水・エーテルに溶け、強い還元作用をもつ。防腐剤染料原料レソルシノール

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精選版 日本国語大辞典 「レゾルシン」の意味・読み・例文・類語

レゾルシン

  1. 〘 名詞 〙 ( [フランス語] résorcine ) 化学式m-C6H4(OH)2であらわされる白色結晶。不純物を含むとうすいピンク色になることがある。かゆみどめ、防腐剤、防黴剤などに用いられる。レゾルチン

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改訂新版 世界大百科事典 「レゾルシン」の意味・わかりやすい解説

レゾルシン
resorsin


m-ジヒドロキシベンゼンにあたる。レゾルシノールresorsinolともいう。融点111℃,沸点281℃の白色結晶。1864年セリ科植物のアルカリ融解で初めて得られた。ブラジルスオウの乾留でも得ることができる。現在はm-ベンゼンスルホン酸を水酸化ナトリウムと融解したのち,塩酸加水分解して工業的に合成されている。わずかな甘味があり,空気,光にさらすか鉄分に触れるとピンク色になる。水,アルコール,エーテル,グリセリンによく溶け,クロロホルム,二硫化炭素には溶けにくい。レゾルシンの水溶液はpH5.2で,青色リトマス試験紙をわずかに赤変させる。アルカリ水溶液は酸素をよく吸収する。アンモニア性硝酸銀を熱時還元して銀鏡を生じ,塩化鉄(Ⅱ)により暗紫色となる。2,4位は求電子試剤との反応に高い活性を示し容易にアシル化されるほか,炭酸塩水溶液と100℃に加熱するだけでカルボキシル化される。フェノールに比べ局所作用,毒性は弱いが殺菌力は強く,防腐剤,鎮痒(ちんよう)剤,防カビ剤として用いられる。エオシンフルオレセインなどの色素,合成樹脂,香料,医薬品の原料となる。カプロン酸と反応させたのち還元して得られる4-n-ヘキシルレゾルシンは合成駆虫剤である。分析試薬としても有用で,各種金属イオンの呈色反応(たとえば亜鉛Znは青色,銅Cuは深青色,白金Ptは赤色など),ウラン,コバルトの比色定量,亜硝酸イオン,硝酸イオンの検出定量などに用いられる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レゾルシン」の意味・わかりやすい解説

レゾルシン
resorcin

化学式 C6H4(OH)2 。1,3-ジヒドロキシベンゼンに相当する。融点 109~111℃の針状晶。水,アルコール,エーテルなどによく溶ける。亜鉛の検出試薬として用いられるほか,医薬,染料原料,皮革なめし剤などに利用される。

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百科事典マイペディア 「レゾルシン」の意味・わかりやすい解説

レゾルシン

1,3−ジヒドロキシベンゼンに当たる無色の結晶。レゾシノールとも。融点111℃,沸点281℃。水,エタノールに易溶。2価のフェノールの一種。防腐剤,殺菌剤,医薬や染料の原料に用いられる。1,3−ベンゼンジスルホン酸を水酸化ナトリウムと融解してつくる。(図)

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