レダマ(その他表記)Spanish broom
weaver's-broom
Spartium junceum L.

改訂新版 世界大百科事典 「レダマ」の意味・わかりやすい解説

レダマ
Spanish broom
weaver's-broom
Spartium junceum L.

地中海地方とカナリア諸島に自生するマメ科小低木和名ポルトガル,スペイン名のレタマretamaに由来するという。高さ約3mに達する。枝はしなやかで緑色,無毛,まばらに葉をつける。葉は単葉で,披針形,長さ1~3cm,早落性である。7~9月に,多数の蝶形花が枝の先にまばらな総状花序をつくって咲く。花は黄色,芳香があり,長さ2~2.5cm。萼は上部が開いて葉状の苞に似ており,上端は5個の歯のような裂片に分かれている。果実は扁平で広線形,長さ約6cm,10~18個の種子を入れる。日本には宝永年間(1704-11)に渡来したという。観賞のため栽培される。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「レダマ」の意味・わかりやすい解説

レダマ
れだま / 連玉
[学] Spartium junceum L.

マメ科(APG分類:マメ科)の落葉または常緑低木。地中海沿岸地方、北アフリカ、カナリア諸島に分布する。日本へは宝永(ほうえい)年間(1704~1711)に渡来した。名は、ポルトガル語のレタマに由来する。小枝灰緑色で細長い。葉はまばらに互生し、披針(ひしん)形で長さ3センチメートル。6~9月、枝先に総状花序を頂生し、芳香のある黄色の蝶形花(ちょうけいか)をまばらに開く。果実は線形で短毛がある。若枝を編物細工に用いる。繁殖は実生(みしょう)、緑枝挿しによる。暖地で観賞用に栽培するが、耐寒性が弱く、東京近辺での栽培はむずかしい。

小林義雄 2019年11月20日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レダマ」の意味・わかりやすい解説

レダマ
Spartium junceum

マメ科の低木で,南ヨーロッパとカナリア諸島に自生する。世界各地の乾燥地域で観賞用に栽培され,日本にも江戸時代にもたらされたが,今日ではあまりみられない。高さ2~3mで緑の枝を伸ばし,長さ2~3cmの広線形で柄のない葉を互生する。夏から秋に,総状花序を出し,直径3~4cmの黄色の蝶形花をつける。旗弁は大型でそり返る。全体としてはエニシダに似ているが,葉は複葉にならず,また蝶形花ははるかに大型で,やや平開ぎみに咲く点が異なる。花後長さ 5cmあまりの莢をつけて,中に多数の種子ができる。

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