レダマ(読み)れだま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「レダマ」の意味・わかりやすい解説

レダマ
れだま / 連玉
[学] Spartium junceum L.

マメ科(APG分類:マメ科)の落葉または常緑低木。地中海沿岸地方、北アフリカ、カナリア諸島に分布する。日本へは宝永(ほうえい)年間(1704~1711)に渡来した。名は、ポルトガル語のレタマに由来する。小枝灰緑色で細長い。葉はまばらに互生し、披針(ひしん)形で長さ3センチメートル。6~9月、枝先に総状花序を頂生し、芳香のある黄色の蝶形花(ちょうけいか)をまばらに開く。果実線形で短毛がある。若枝を編物細工に用いる。繁殖は実生(みしょう)、緑枝挿しによる。暖地で観賞用に栽培するが、耐寒性が弱く、東京近辺での栽培はむずかしい。

小林義雄 2019年11月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レダマ」の意味・わかりやすい解説

レダマ
Spartium junceum

マメ科の低木で,南ヨーロッパとカナリア諸島に自生する。世界各地の乾燥地域で観賞用に栽培され,日本にも江戸時代にもたらされたが,今日ではあまりみられない。高さ2~3mで緑の枝を伸ばし,長さ2~3cmの広線形で柄のない葉を互生する。夏から秋に,総状花序を出し,直径3~4cmの黄色の蝶形花をつける。旗弁は大型でそり返る。全体としてはエニシダに似ているが,葉は複葉にならず,また蝶形花ははるかに大型で,やや平開ぎみに咲く点が異なる。花後長さ 5cmあまりの莢をつけて,中に多数の種子ができる。

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