精選版 日本国語大辞典 「ろうたし」の意味・読み・例文・類語
ろうた・し ラウたし
〘形ク〙
① (「労(ろう)いたし」の変化した語) こちらが何かと世話をしていたわってやりたい気持にかられる。また、そういう気持にさせるようなありさまである。可憐でいとおしい。姿やしぐさやたたずまいなどが、弱々しくいじらしい。
※大和(947‐957頃)六四「この妻(め)にしたがふにやありけん、らうたしと思ひながら、え留めず」
③ (「ろう」を「ろうたける」の「臈」と意識してできた語か) 洗練された美しさがある。上品ですきとおるように美しい。
[補注]シク活用の「うつくし」が、特に弱々しさという限定をつけず、愛情を感じる対象、美を感じる対象を賛美する心情表現の語であるのに対して、ク活用の「らうたし」は、いつくしみの感情を起こさせる、弱々しく痛々しい、または、いじらしいものの可憐な状態を表わす属性表現の語である。
ろうた‐が・る
〘他ラ四〙
ろうた‐げ
〘形動〙
ろうたげ‐さ
〘名〙
ろうた‐さ
〘名〙
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報