『崇高について』 Peri Hypsusの無名の著者に通常つけられているギリシア人の名。おそらく1世紀なかば頃の修辞家。『崇高について』は古代最高の文学批評の書で,何が文学において「崇高」を構成するかを論じ,それを偉大な考えと強い情緒に求め,さらにそれを芸術的構成と高貴な言葉づかいによって補い,これらの特性が尊厳と高揚を生むとする。古典文学からの豊富な引用によって説明し,『イリアス』と『オデュッセイア』,デモステネスとキケロを比較したりする。著者はホメロス,プラトン,デモステネスらを崇高な文体の典型としている。