柔軟(読み)ジュウナン

デジタル大辞泉 「柔軟」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐なん〔ジウ‐〕【柔軟】

[形動][文][ナリ]
やわらかく、しなやかなさま。「柔軟な身のこなし」
一つ立場考え方にこだわらず、その場に応じた処置判断のできるさま。「柔軟態度」「柔軟に対応する」
[派生]じゅうなんさ[名]
[類語](1やわらかいしなやか軟化柔らか軟質軟弱柔いやんわりソフトマイルドまろやか/(2変通臨機応変融通フレキシブル弾力的融通無碍むげ穏やか穏便穏当紳士的婉曲えんきょく甘美快美当たらず触らず物柔らか曖昧ほどほど控え目ソフトやんわりぼかすぼやかすぼやけるうやむやメロー柔和温厚温和穏健まったり丸いゆるやか

にゅう‐なん〔ニウ‐〕【柔軟】

[名・形動ナリ]
仏教に従いその心が穏やかなこと。また、そのさま。
「既に―の仏子となった以上は」〈露伴・連環記〉
じゅうなん(柔軟)」に同じ。
「イカニモ静カニ―ナフリデ」〈天草本伊曽保獅子と馬〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「柔軟」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐なんジウ‥【柔軟】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. ( ━する ) 物体性質が、やわらかく、しなやかになること。やわらかくて、弾力性に富むこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「百七十度の熱に柔軟し二百十二度の熱に半流動し其以上の熱に全く鎔化す」(出典:舎密開宗(1837‐47)内)
    2. [その他の文献]〔詩経疏‐小雅・隰桑〕
  3. 人、または事柄の性質が、順応性に富んでいて、やわらかであること。一方にかたよらないで、さまざまのものに素直に対処しうるさま。にゅうなん。
    1. [初出の実例]「天性柔軟、寺中之儀於勤行等事更無闕怠」(出典実隆公記‐永正二年(1505)八月二六日)

にゅう‐なんニウ‥【柔軟・柔輭】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「にゅう」は「柔」の慣用音 )
  2. 仏語仏法に帰依し、その教えに従って心がおだやかなさま。心が柔和なさま。〔色葉字類抄(1177‐81)〕 〔法華経如来寿量品
  3. やわらかく、しなやかなさま。じゅうなん。
    1. [初出の実例]「シヅカニ nhǔnanna(ニュウナンナ) フリデ ウマノ ソバニ アユンデ キ」(出典:天草本伊曾保(1593)獅子と、馬の事)
    2. [その他の文献]〔悲華経‐八〕

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普及版 字通 「柔軟」の読み・字形・画数・意味

【柔軟】じゆう(じう)なん

柔らかくしなやか。〔南史、姚察伝〕察、一經を讀まんと欲し、竝びに已に究し將(まさ)にらんとす。曾(すなは)ち痛惱(つうなう)無し。但だ西向して、坐して正念して云ふ、一切寂と。其の後身體柔軟、顏色恆(つね)の如し。

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