翻訳|rod
線に加工する金属素材。ふつう数mmの直径をもつ丸線で,多くの場合,引抜加工によってさらに細い線,すなわちワイヤが製造される。線材の製造は熱間加工によって行われることが多いが,加工の方法としては穴型圧延と押出加工が用いられる。穴型圧延は主として鉄鋼の線材の製造に適用されている。一方,非鉄金属のアルミニウム,銅およびその合金などの線材は押出加工で製造される。タングステンやモリブデンの場合は,直径50mm程度のビレット(小型鋳片)から熱間引抜加工を経て冷間引抜により直接ワイヤに加工される。鋼の線材は,針金,ピアノ線などの鋼線の素材とされるとともに,それ自体でも建築用鋼線,鋼棒,つる巻きばねの素材としても用いられる。
鉄鋼の線材圧延機は20スタンド程度の圧延機群からなり,初め断面80~140mm角のビレットから最終の直径5.5mmの丸線に圧延加工が行われる。直径5.5mmの丸線の断面積は約24mm2と小さく,1m当りの重量は約18.7gにすぎない。労働生産性を上げるために線材圧延工場ではふつう4条の線材が同時に仕上がるようになっている。それでも高品質でとくに高価である材質の線材の生産をしなければ,圧延工場の操業に必要なコストに見合う生産性を上げるのは年を追って困難になってきており,後発国に生産のシェアを譲らなければならない状況である。その意味で,これからの線材工場は品質の面で他の追随を許さない材料技術に基づいた生産を志向していかなければならない。
執筆者:木原 諄二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
コイルに巻かれて出荷される線状の金属材料。鋼線の場合はその材質から軟鋼線、硬鋼線、ピアノ線、溶接棒心線、ステンレス線などに分類される。直径5~20ミリメートルまで熱間圧延機で鋼片から一気に仕上げられるが、さらに細くする場合は室温でダイス工具に通して引き抜く。軟鋼線は熱間圧延された素材をそのまま伸線機で引き抜かれるが、硬鋼線の場合はふたたび900℃付近に加熱されたのち550℃付近まで急冷されて炭化鉄Fe3C(セメンタイトという)がきわめて微細に層状に配列するパーライトとよばれる組織にしてから(この処理をパテンティングという)引き抜かれる。線材はそのまま金鋼やばねとして用いられるほか、ボルトや釘(くぎ)などの素材となる。0.65~0.95%の炭素を含む硬鋼線はピアノ線ともよばれる。
[須藤 一]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…これは4840平方ヤードに等しく,およそ0.4ha(4047m2)である。定義に使われているポールpoleという単位はロッドrodあるいはパーチperchともいい,51/2ヤードに等しく,畝が平均8本作れる幅である。長さの40ポールはファーロングfurlongといい,その語源は〈畝furrowの長さ〉にある。…
※「線材」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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