線材(読み)せんざい(英語表記)wire rods

精選版 日本国語大辞典 「線材」の意味・読み・例文・類語

せん‐ざい【線材】

〘名〙 断面円形鋼材で、太さが五ミリメートル前後のもの。鋼索金網針金などの素材となる。

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デジタル大辞泉 「線材」の意味・読み・例文・類語

せん‐ざい【線材】

断面が円形の鋼材で、太さが5ミリほどのもの。鋼索・金網・針金などの素材となる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「線材」の意味・わかりやすい解説

線材
せんざい
wire rods

コイルに巻かれて出荷される線状の金属材料鋼線の場合はその材質から軟鋼線、硬鋼線、ピアノ線、溶接棒心線、ステンレス線などに分類される。直径5~20ミリメートルまで熱間圧延機で鋼片から一気に仕上げられるが、さらに細くする場合は室温でダイス工具に通して引き抜く。軟鋼線は熱間圧延された素材をそのまま伸線機で引き抜かれるが、硬鋼線の場合はふたたび900℃付近に加熱されたのち550℃付近まで急冷されて炭化鉄Fe3C(セメンタイトという)がきわめて微細に層状に配列するパーライトとよばれる組織にしてから(この処理をパテンティングという)引き抜かれる。線材はそのまま金鋼やばねとして用いられるほか、ボルトや釘(くぎ)などの素材となる。0.65~0.95%の炭素を含む硬鋼線はピアノ線ともよばれる。

[須藤 一]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「線材」の意味・わかりやすい解説

線材
せんざい
wire rod

条鋼一種。熱間圧延した経5~38mm程度の細さの鋼材をコイル状に巻取ったもの。 5.5mmの円形断面のものが標準。特殊形状として四六角および異形のものがある。炭素量によって普通線材と特殊線材 (低炭素特殊線材,高炭素特殊線材) に分けられる。そのまま使用されることはほとんどなく,線材2次製品メーカーによって常温で引抜き加工され,鉄線,鋼線 (ピアノ線材,綱索材など) となる。さらにこれが加工されて釘,ねじ,針金その他各種の2次,3次製品となる。

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世界大百科事典 第2版 「線材」の意味・わかりやすい解説

せんざい【線材 rod】

線に加工する金属素材。ふつう数mmの直径をもつ丸線で,多くの場合,引抜加工によってさらに細い線,すなわちワイヤ製造される。線材の製造は熱間加工によって行われることが多いが,加工の方法としては穴型圧延と押出加工が用いられる。穴型圧延は主として鉄鋼の線材の製造に適用されている。一方,非鉄金属のアルミニウム,銅およびその合金などの線材は押出加工で製造される。タングステンやモリブデンの場合は,直径50mm程度のビレット(小型鋳片)から熱間引抜加工を経て冷間引抜により直接ワイヤに加工される。

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世界大百科事典内の線材の言及

【エーカー】より

…これは4840平方ヤードに等しく,およそ0.4ha(4047m2)である。定義に使われているポールpoleという単位はロッドrodあるいはパーチperchともいい,51/2ヤードに等しく,畝が平均8本作れる幅である。長さの40ポールはファーロングfurlongといい,その語源は〈畝furrowの長さ〉にある。…

※「線材」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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