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アイドホール アイドホール 〈ドイツ〉Eidophor

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デジタル大辞泉の解説

アイドホール(〈ドイツ〉Eidophor)

テレビの映像を、大型スクリーンに投写する装置。商標名。

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百科事典マイペディアの解説

アイドホール

テレビ像を拡大投写する装置の一つ。油膜面を電子ビームで走査してできた凸凹の像を,光学系を利用して映写幕に投写するもので,カラーも投写できる。ライトバルブプロジェクターも同様な原理による。
→関連項目テレビ受像機

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アイドホール
あいどほーる
Eidophor

テレビジョン画像を拡大して投影するプロジェクター装置。アイドホールとは、ギリシア語に由来する像の運搬者を意味する用語で、商標名である。1939年スイスの国立工業研究所のフィッシャーFritz Fischer(1898―1947)が発明したもので、1943年投影に成功した。商品開発はスイスのグレタグGretag社とオランダフィリップスPhilips社によって行われ、実用化を目的に設立されたアイドホール社から1959年に商用機が発売された。原理は凹面鏡に塗られた特殊な油膜を、電子ビームで走査して画像を書き込み微小な凹凸状態にし、これに光を当てて反射光をスクリーンに投影するものである。アイドホールの呼び名は本来特殊な油膜をさすものであるが、装置全体(アイドホール・プロジェクター)もアイドホールとよばれる。
 構造は、凹面鏡が電子銃とともに一つの真空容器の中に収められている。凹面鏡表面には特殊な油膜が一様に塗布されている。電子銃から発射された電子ビームは画像情報で変調(電子ビームの強さが画像の変化に応じて時々刻々と変わること)され、偏向コイルによって水平および垂直方向に振られて前方にある油膜面上を走査する。この仕組みはブラウン管のそれと同じである。ただし、ブラウン管では走査する対向面が蛍光体でできており、電子ビームのエネルギーが直接光に変換されるのに対し、アイドホールでは走査する対向面が油膜で、そのままでは光にならず目に見えることはない。アイドホールの油膜面に電子ビームが当たると、負の電荷が付着し、導電性をもつ凹面鏡との間に吸引力が働いて、ビームの強さに対応した微細な凹凸ができる。油膜には導電性が与えられ、約1フレーム(1枚の映像がつくられる期間)ののちに、負の電荷が消滅するようになっている。凹面鏡を数分間に1回転の速さでゆっくり回転することで油膜面は更新され、常時最良の状態が保たれる。キセノンランプまたは高圧水銀灯を光源とする強力な光を、バーミラーとよばれるすきまをもった格子状の鏡を通して油膜面に当てると、スポット(点)による凹凸に応じて反射光の角度が変化し、この反射光をふたたびバーミラーに通すと、格子を通過する光量が変わってくる。この光を、投射レンズを通してスクリーン上に投影する。強力な光源を使うため、映画と同じくらいの明るさで12メートル×9メートル程度の大きな画面をスクリーン上に映写することができる。カラー画像を映写することもできる。
 アイドホールは、ホールや講堂などで、大画面の映像を投射するのに便利で、教育用にも貢献した。日本における教育用の一例として、東海大学湘南(しょうなん)校舎に1964年(昭和39)に設置されたものがある。これは、光源2キロワット、光量3000ルーメンのキセノンランプを使用し、画像の大きさは6.5メートル×5メートルで、17年の長きにわたって教育の現場で使われた。
 アイドホールはテレビジョン画像を大型のスクリーンに投影する装置として優れたものであったが、真空装置を含めて大型大重量で、電源を入れてから真空排気が完了するまでかなりの時間を要するなどの使いにくさがあり、操作とメンテナンスに特別な技術が必要であった。
 現在、大型投影装置は、小型で安価な液晶プロジェクターや、DLP(digital light processing:デジタル・ライト・プロセッシング)プロジェクターが主力で、アイドホールは過去のものとなっている。[吉川昭吉郎]

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