デジタル大辞泉 「アウトリーチ」の意味・読み・例文・類語 アウトリーチ(outreach) 《「手を差しのべること」の意》1 援助が必要であるにもかかわらず、自発的に申し出をしない人々に対して、公共機関などが積極的に働きかけて支援の実現をめざすこと。医療機関が、在宅の患者や要介護者を訪問して社会生活を支援する活動など。訪問支援。2 劇場や美術館などが館外で行う芸術活動。自ら劇場などに出向かない人々に対し、芸術に関心をもたせることを目的として、出張コンサートやイベントなどを行うこと。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
図書館情報学用語辞典 第5版 「アウトリーチ」の解説 アウトリーチ 施設入所者,低所得者,非識字者,民族的少数者など,これまでの図書館サービスが及ばなかった人々に対して,サービスを広げていく活動.アウトリーチは米国において,1960年代以降,黒人市民権運動などの社会的背景のもとに発達した概念および実践活動である.そこでは社会的に不利益をこうむっている人々の多くが,そのまま図書館の未利用者であるという事実が図書館の側の責任として問題にされ,従来のサービス提供方法を改革し,未利用者を利用者に転化していく方策が模索された.「すべての人への図書館サービスの浸透」という概念については,米国では,サービスの空白地域をなくしていく活動にはextension service,extension workなどの用語が使用される場合が多く,サービス圏域内であるにもかかわらずサービスが及んでいない住民を対象とした活動にはoutreachの用語が使われる場合が多い.[参照項目] エクステンションサービス 出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報
知恵蔵 「アウトリーチ」の解説 アウトリーチ 公的機関、公共的文化施設などが行う、地域への出張サービス。例えば公共ホールがプロのアーティストを地域の学校や福祉施設に派遣してワークショップ、ミニコンサートなどを行う普及活動。英語名詞のアウトリーチは、手を伸ばすことを意味する。1990年代以降、住民との新しい接点を求めて「出前」的な活動をする公共文化施設が全国的に増えてきた。ホールで客を待つよりも、アーティストが市民の生活の場に積極的に入り込むことによって、芸術に関心のある層を飛躍的に増やそうという活動。子供たちを対象にしたアウトリーチ活動は、未来の観客(聴衆)を育てることにもつながる。 (扇田昭彦 演劇評論家 / 2007年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報