改訂新版 世界大百科事典 「アクシヨンフランセーズ」の意味・わかりやすい解説
アクシヨン・フランセーズ
Action française
ドレフュス事件をきっかけとして組織されたフランスの国粋主義的政治団体,およびその機関紙名。1899年にモーラスら反ドレフュス派の知識人を中心に結成され,まもなく王政復古を旗印とした。カムロ・デュ・ロアCamelots du roiという行動隊をもち,ユダヤ人,プロテスタント,フリーメーソン,社会主義者を“異国人”として排撃した。第三共和政下のもっとも徹底した反共和主義的・反議会主義的運動として,右翼とカトリックの世界に相当の影響を及ぼし,ブールジェ,ベルナノス,ブラジャックら,この団体に関係した著作家も少なくない。1928年,モーラスの著作は教徒への影響を憂慮した教皇ピウス11世によって禁書とされ,36年には社会党党首ブルムを襲撃したかどで解散を命ぜられたが,ビシー政権下に公然と復活し,ペタン元帥の国民革命を積極的に支持した。44年フランスの解放とともにモーラスは逮捕され,運動は消滅した。
執筆者:山極 潔
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報