共同通信ニュース用語解説 「アコヤガイ」の解説
アコヤガイ
真珠養殖に使われる二枚貝。貝殻を丸くした「核」を中に入れると、その周りに層ができて真珠になる。核入れをして真珠をつくるのは主に3年貝で、小さな真珠のために2年貝に入れることもある。2019年から三重県と愛媛県、長崎県で生後1年未満の稚貝を中心に大量死が相次いで発生。愛媛県漁協などの原因検討会は今年3月、ウイルス感染症が原因と強く推定する
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真珠養殖に使われる二枚貝。貝殻を丸くした「核」を中に入れると、その周りに層ができて真珠になる。核入れをして真珠をつくるのは主に3年貝で、小さな真珠のために2年貝に入れることもある。2019年から三重県と愛媛県、長崎県で生後1年未満の稚貝を中心に大量死が相次いで発生。愛媛県漁協などの原因検討会は今年3月、ウイルス感染症が原因と強く推定する
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養殖真珠の母貝に使うウグイスガイ科の二枚貝。真珠をとるのでシンジュガイともいう。殻の高さ7.5cm,長さ7cm,膨らみ3cmに達する。左殻は右殻よりも膨らむ。形は一定しないが四角形状。殻表はふつう黒褐色で黒紫色の雲状斑や赤色,緑色,黄色などの色帯が殻頂から放射状に出,成長脈に沿って雲母状片が重なったようになるが,成長するとそれらを失って滑らかになり,動植物が付着し汚れる。右殻の前縁には足糸が出る隙間があり,糸を出して岩などに付着する。内面は強い真珠光沢があるが,縁部は広く黄褐色で黒みを帯びる。筋肉痕は大きく勾玉(まがたま)状。軟体の足は小さく,それより糸を出して地物に付着するが,ときどき糸を切って移動する。本州の太平洋側は房総半島,日本海側は男鹿半島以南,九州まで分布し,潮間帯から水深10mの岩れき底にすむ。産卵期は5~9月,雌雄異体であるが性転換もする。産卵後,ベリジャー幼生になったときを見計らってコレクターを水中に垂下してこれに付着させて幼貝を採取し,真珠養殖用の母貝に飼育する。1年で4~5cm,2年で5~6cm,4年で7~8cmに成長し,寿命は12年くらいといわれる。真珠採取後,貝柱をかす漬などにする。
外套(がいとう)膜の小片(細胞,ピースという)を,アメリカ産淡水貝ピクトーガイ(戦前は中国産のガマノセガイを用いた)の殻からつくった玉(核)につけて,アコヤガイの体内へ数個挿入すると細胞が増殖して核を包むようになり,核の上に真珠層を分泌する。これを真珠囊という。2~3年以上大粒のもので7年くらい飼育すると真円の養殖真珠ができるが,その真珠層の色調・光沢や丸みなどでその価値が異なる。
→真珠
執筆者:波部 忠重
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
軟体動物門二枚貝綱ウグイスガイ科の二枚貝。真珠養殖の母貝にするので、一般にシンジュガイ(真珠貝)とよばれる。本種は熱帯の西太平洋からインド洋にかけて分布するベニコチョウガイ(紅胡蝶貝)P. fucataの日本型と考えられる。太平洋側では房総半島以南、日本海側では山形県以南に分布し、奄美(あまみ)諸島まで及ぶ。天然では潮間帯から水深10メートルぐらいまでの岩礁に足糸で固着し生活している。成体の殻長、殻高とも約80~100ミリメートルとなり、左殻は右殻より膨らみが大きい。背縁のかみ合せはまっすぐで長く、殻頂は前方に寄り、低い。前端は三角形の前耳となり、右殻の前縁に足糸の出る切れ込みがある。後端も三角形の後耳となり、いくぶん延びる。殻表は成長脈に沿って雲母(うんも)状片が重なり檜皮(ひわだ)状。普通、淡褐色で黒紫色の雲状斑(はん)や赤、緑、黄などの放射色帯がみられ、殻皮の鱗片(りんぺん)上にも横紋斑がある。内面は強い真珠光沢をもち、縁部の稜柱(りょうちゅう)層は黄褐色で黒斑帯がある。産卵期は5~9月。
養殖真珠生産のための母貝は天然稚貝(ちがい)を採取して養成するが、人工孵化(ふか)採苗も行われる。手術は2~3年の貝を用い、産卵の際、核(淡水貝の貝殻を丸くした真珠を巻かせる芯(しん))が放出されないようあらかじめ産卵抑制か卵抜きをする。手術は核にほかの貝の外套膜(がいとうまく)の4~9平方ミリメートルの組織片(ピース)を添えて挿入し、核の周りに真珠層を分泌させる。
[奥谷喬司]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…青貝細工ともいう。また,真珠は七宝の一として尊ばれ,日本では古来伊勢真珠が最良とされ,〈伊勢の海の白水郎(あま)の島津が鰒(あわび)玉取りて後もか恋の繁けん〉(《万葉集》巻七)とあるようにアワビからとったらしいが,後にはアコヤガイやドブガイからも得るようになった。そして現在ではアコヤガイに核玉を入れる真珠養殖が盛んになっている。…
※「アコヤガイ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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