アメリカのアップル社が2015年4月に発売した腕時計型情報端末(スマートウォッチ)。日常活動を妨げずに身体に装着して操作できるウェアラブル端末を世界的に普及させるきっかけとなった製品である。スマートフォン(スマホ)と同様に通信、地図、カメラ撮影などの各種ソフトウェア(アプリケーション)を使用できる。時計画面の下から上に指を滑らせるスワイプ操作で、下からアプリ簡易版の「グランス」表示に変わる。マイク、スピーカー、心拍計、加速度計、ジャイロスコープなどを内蔵し、運動時間やカロリー消費量目標を表示して暮らしに運動を取り入れるよう促す機能もある。基本的にアップル社のスマートフォン、「iPhone(アイフォーン)」とセットで使うことを想定しており、iPhoneに内蔵・搭載されたアプリ・システムを連動して使用することが可能である。しかし全地球測位システム(GPS)などはアップルウォッチに搭載されておらず、単体(iPhoneと連動しない)で持ち歩いても、通信、音楽などの機能を使用できない。
文字盤に相当するタッチ画面と、竜頭(りゅうず)に相当するダイヤル「デジタルクラウン」を使って操作する。タッチ画面は感圧タッチで、軽いタップと深いタッチを識別して機能する。デジタルクラウンを回転すると、画面のスクロールや拡大・縮小操作ができ、押し込むと決定ボタンの役割をする。2016年(平成28)5月時点で、素材やデザインによって30以上の種類があり、日本での小売価格は3万円台から210万円台まで多様である。サイズは横33.3~35.9ミリメートル、縦38.6~42.0ミリメートル、厚さ10.5ミリメートル。重さ25~69グラム。容量は8ギガバイト。電池の持続時間は最大18時間で、充電に2.5時間かかる。耐水性能をもつ。ウェアラブル端末には眼鏡型などもあるが、アップルウォッチの登場で腕時計型が主流になった。アメリカの調査会社IDCによると、ウェアラブル端末の出荷数は2014年が約2900万台、2015年は約7800万台と増えており、2020年には2億3710万台に達すると予測している。2015年時点でウェアラブル端末市場のほぼ半分をアップルウォッチが占めている。アメリカの調査会社ストラテジー・アナリティクスの推計では、2015年10~12月のスマートウォッチの世界出荷数はロレックス、スウォッチなどのスイス製腕時計を上回った。
[矢野 武 2016年10月19日]
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