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アニリンブラック

百科事典マイペディアの解説

アニリンブラック

繊維上でアニリンを酸性酸化して得られる黒色染料塩酸アニリンの水溶液に繊維を浸し,次いで重クロム酸ナトリウムの浴を通すと,アニリンが酸化縮合して黒色に染まる。日光や洗濯にも強く,安価で,かつては木綿を黒く染めるのに広く用いられたが,現在ではきわめて特殊な場合にしか使われない。
→関連項目酸化染料

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世界大百科事典 第2版の解説

アニリンブラック【aniline black】

酸化染料の一種で,歴史的には著名であるが,現在はきわめて特殊な場合にしか使用されない。1834年ドイツのルンゲF.F.Rungeがアニリンを酸化すると緑色色素ができることを発見したのが初めで,後にライトフットJ.Lightfootが染料として完成した。硫酸銅などを触媒として加えた塩素酸ナトリウム,塩酸アニリンの水溶液に木綿繊維をひたし,ついで二クロム酸ナトリウムで酸化し繊維上でアニリンの黒色酸化物を生成させる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アニリンブラック
あにりんぶらっく
aniline black

酸化染料の一つであるが、染料というよりむしろ染色法と考えられる。1860年ライトフットJohn Lightfoot(1832―1872)により発見された(1863年説もある)。安価で堅牢(けんろう)な黒が得られるので、現在も広く利用されている。木綿用プロセスとしてもっとも重要なものは「熟成黒aged black」法である。すなわち、アニリン、塩酸アニリン、塩素酸ナトリウム、塩化アンモニウム、酢酸アルミニウム、銅またはバナジウム塩からなる染浴に繊維を浸したのち、繊維を乾燥させ、60~70℃で短時間熟成させる。必要であればさらにクロム酸処理をする。構造は複素環であるアジン骨格を有する複雑な高分子である。アニリンを銅触媒とクロム酸で酸化したのち、硫酸で脱クロムと脱銅を行って得た色素は、堅牢な黒色有機顔料であるピグメント顔料(C. I. Pigment Black 1)として、印刷インキ、塗料、プラスチック着色剤、化粧品などに広く利用されている。[飛田満彦]

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世界大百科事典内のアニリンブラックの言及

【酸化染料】より

…芳香族アミン類を酸化発色させて色素とする染料の総称。代表的な例はアニリンブラックで,木綿や絹をアニリン塩酸塩水溶液に浸し,ついで塩素酸ナトリウムNaClO3,硫酸銅CuSO4,重クロム酸ナトリウムNa2Cr2O7などの酸化剤水溶液を通して酸化すると,繊維の中にしみこんだアニリンが黒色水溶性のアニリンブラックに変わり黒く染色する。安価で染色堅牢度も高く,セルロース繊維,羊毛,絹,皮革などの染色に用いられる。…

【ルンゲ】より

…イェーナ大学で医学を修めたあと,1822年ベルリン大学で化学を学び博士号を取得,28年ブレスラウ大学教授となる。31年オラニーンブルクの化学会社に移り,そこでコールタールの分留から最初の人造タール染料〈アニリンブラック〉を製造,34年特許を取った。このほかペーパークロマトグラフィーによる化学分析の先駆的業績でも知られる。…

※「アニリンブラック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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