酸化染料(読み)さんかせんりょう(英語表記)oxidation colour

  • oxidation colors
  • oxidation dye
  • さんかせんりょう サンクヮセンレウ
  • さんかせんりょう〔サンクワセンレウ〕
  • 酸化染料 oxidation dye

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

酸化処理によって繊維上で不溶性染料となり発色する染料。おもに芳香族化合物をその成分とするものが多く,黒色褐色紫色,黄色などの色合いが多い。繊維染色のほか毛染めなどにも利用される。アニリンブラックをはじめとし 50種以上の種類がある。安価で太陽光,アルカリに強く,木綿レーヨンの染色に多く利用されたが,近年はその有害性,染色工程が煩雑であるため酸化染色は減少傾向にある。

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世界大百科事典 第2版の解説

芳香族アミン類を酸化発色させて色素とする染料の総称。代表的な例はアニリンブラックで,木綿やをアニリン塩酸塩水溶液に浸し,ついで塩素酸ナトリウムNaClO3,硫酸銅CuSO4,重クロム酸ナトリウムNa2Cr2O7などの酸化剤水溶液を通して酸化すると,繊維の中にしみこんだアニリンが黒色水溶性のアニリンブラックに変わり黒く染色する。安価で染色堅牢度も高く,セルロース繊維羊毛,絹,皮革などの染色に用いられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

繊維など染色されるものの上で酸化により生成と同時に発色する染料。芳香族アミン誘導体は無色であるが、適当な酸化剤で酸化すれば水不溶性の染料となって発色する。アニリンブラックはその代表例であって、芳香族アミンの種類により、黒色、褐色、暗青色、紫色、黄色などの色調のものが得られる。安価で、比較的に堅牢(けんろう)性のよい黒色の染色法として、木綿、レーヨンに使用されていたが、色調が安定して得にくいことや、染色が複雑であること、芳香族アミン類の毒性などにより、しだいに利用されなくなってきている。

 人毛や獣毛繊維の染色に用いられるヘア染色にも酸化染料が用いられる。日本ではいわゆる白髪(しらが)染めとして古くから知られているが、ブロンド、ブルネットに染色も可能である。人によっては芳香族アミン(主としてパラフェニレンジアミン)により湿疹(しっしん)や皮膚炎をおこすことがあるので注意が必要である。

[飛田満彦]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 繊維などの上で酸化し染色を行なう染料。アニリンブラックなどがあり、もめんや絹の浸染、捺染(なっせん)、白毛染などに用いられる。

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化学辞典 第2版の解説

繊維上で芳香族アミン,ジアミン,あるいはアミノフェノール類を酸化することによって不溶性染料を生成させる染色法をとる染料.既製の染料ではない.アニリンを酸化したアニリンブラックが代表的な酸化染料である.酸化剤としては,木綿の染色の場合には銅塩あるいはバナジウム塩の存在下に塩素酸ナトリウム,二クロム酸カリウム,あるいは黄血塩を用いる.生成する染料の構造は複雑で,一般に不明である.天然繊維を日光や洗濯に強い,渋味のある深い複雑な色相に染め,しかも安価な点に特徴がある.色相は黒色,褐色,暗青色,紫色,黄色などに限定され,木綿やレーヨンに使用されるが羊毛や絹にはほとんど使われない.一部,毛髪用として白髪染めに用いられるものがある.

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