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アネモネ Anemone

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アネモネ
Anemone

ニリンソウハクサンイチゲシュウメイギクなどを含むキンポウゲ科イチリンソウ属の属名であるが,園芸界で一般にアネモネと呼ばれるのは,そのうちの地中海産の種類でボタンイチゲ A. coronariaやアカヤエアネモネ A.×flugensの園芸品種群である。地下に不定形塊茎をもち,細かく裂けた葉をつける。ヒナゲシに似て赤,青,紫などの花弁状の萼片 (がくへん) があり,濃紫色の葯 (やく) をもった多数のおしべとともに美しい。花の直径は4~5cm。日本には明治の初めに渡来し花壇や鉢植えなどに普及した。

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デジタル大辞泉の解説

アネモネ(〈ラテン〉Anemone)

キンポウゲ科の多年草。高さ15~20センチ。葉は羽状複葉。早春に一つの球根から数本の茎が出て、先に1個ずつ花をつける。花は一重と八重とがあり、色も赤・白・桃・紫など多様。地中海沿岸地方の原産で、観賞用。ぼたんいちげ。 春》「―のむらさき面会謝絶中/波郷

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百科事典マイペディアの解説

アネモネ

地中海沿岸原産のキンポウゲ科の秋植え球根植物アネモネ・コロナリアの通称であるが,園芸的にこの名前で栽培されるのは,本種を親のひとつとする交雑品種群。花壇,鉢に植えて4〜6月に花を楽しむ。

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デジタル大辞泉プラスの解説

アネモネ

王子ネピアが販売するトイレットペーパーの商品名。リサイクルパルプ100%使用。無香料。ダブル2枚重ね、12ロール入り。

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世界大百科事典 第2版の解説

アネモネ【poppy anemone】

キンポウゲ科の塊茎性の宿根草で,花壇,鉢植えや切花用に栽植される(イラスト)。地中海沿岸原産で,16世紀末にはすでに多くの品種がイギリスでも栽培されていた古い園芸植物である。日本には1872年に渡来した。ボタンイチゲともいう。高さ20~40cmになり,花茎の頂に直径5cmほどにもなる花を一つつける。花弁のように見えるのは萼で,萼片は普通6~8枚あり,白,ピンク,赤,紫,青などの各色がある。また,おしべが弁化して八重咲きになったものもあり,多くの品種が分化している。

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大辞林 第三版の解説

アネモネ【Anemone】

キンポウゲ科の球根植物。観賞用に栽培する。南欧原産。茎の高さ約20センチメートル、葉は羽状に分裂。一重咲きと八重咲きがあり、三、四月頃開花。色は白・赤・紫など数多くの品種がある。 [季] 春。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アネモネ
あねもね
[学]Anemone

キンポウゲ科アネモネ属の総称。北半球に約90種の原種があり、日本には16種ある。園芸上は、秋植え球根として扱う。代表種はコロナリアgarden anemone, windflower/A. coronaria L. でボタンイチゲともいう。地中海沿岸原産で、英名のウィンドフラワーの名のとおり、風通しのよい所でよく育つ。秋植えですぐ発芽し、早春に15~20センチメートルの花茎を出し、径6~7センチメートルの花をつけ、3月下旬から5月上旬まで咲き続ける。葉はパセリに似ており、花色は白、赤、青、紫、桃色などがある。一重(ひとえ)咲きから八重(やえ)咲きまであり、セント・ブリッド種は花茎30~40センチメートルで早春の八重咲き、デ・カン種は花茎40~50センチメートルで丸弁一重の早生(わせ)種。また、ブランダ種は白、青、桃色の一重咲きの矮性(わいせい)種である。繁殖は、塊茎の分球または実生(みしょう)によるが、実生球のほうが花つきがよいとされる。切り花、鉢植え、花壇に適するが、矮性種は切り花には向かない。交雑種の代表はフルゲンスA. fulgensで、鮮紅色のもののほかに、セント・ボバというパステルカラーの珍色種がある。
 このほか、日本では原名不詳の吹詰(ふきづめ)咲きと称し、雌雄ずいが弁化して種子がつかない真紅色のものがある。[川畑寅三郎]

栽培

植付け期は9月下旬、肥沃(ひよく)な中性の深い土を好み、日当り、排水、風通しのよい所にする。寒さには強いが、極寒期は敷藁(しきわら)などするとよい。高温を嫌うが、早春だとビニル栽培もできる。6月、葉が黄変したら掘り上げ、日陰で乾燥貯蔵する。[川畑寅三郎]

民俗

アネモネの名はギリシア語のアネモスAnemos(風)に由来するが、風に吹かれて飛び散る花びらや綿毛のある種子からの結び付きであろう。ギリシア神話では、アネモネは、美の女神アフロディテが愛したアドニスが、不慮の事故で死ぬときに流す血から誕生する。イギリスやドイツの俗信では、十字軍の史実が絡んで、キリストの血と置き換わる。つまり、第2回十字軍遠征(1147)のころ、イタリアのピサ大聖堂のウンベルト僧正が運ばせた聖地からの土の中にアネモネの球根が混じっており、その土を使った十字軍殉教者の墓地から見慣れない血のような赤い花が咲いたという。これを殉教者の血のよみがえりと信じ、アネモネは「奇跡の花」としてヨーロッパに広がっていった。[湯浅浩史]

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世界大百科事典内のアネモネの言及

【アドニス】より

…その美しさにうたれた女神アフロディテとペルセフォネが彼の争奪戦を演じたため,ゼウスの裁量で,彼は1年の4ヵ月をアフロディテと地上で,4ヵ月をペルセフォネと冥界で,残りは自分の好きなところで過ごすよう定められた。のち狩りの最中に猪に突き殺されたとき,その血潮からアネモネが,彼を悼むアフロディテの涙からバラが生じたという。アドニスの名はセム語で〈主〉の意。…

【ビーナス】より

…アフロディテに関する神話の一つは〈アドニス神話〉で,メソポタミアの〈タンムズ神話〉の変形とみなされる。ここでは美少年アドニスをめぐってアフロディテおよびペルセフォネ(あるいはデメテル)が争い,結局2人が半年ずつアドニスと過ごすが,アドニスはイノシシによって殺され,その血からアネモネが咲き出たとされる。〈アドニス〉の名は西セム語のアドンAdon(〈わが主〉の意)から出たもので,またアネモネとのつながりは,春先に東地中海地方でアネモネがいっせいに開花するからとも,レバノン山脈から流れ出る川がこの時期に赤紅色に変色するからともいわれる。…

※「アネモネ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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