日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュウメイギク」の意味・わかりやすい解説
シュウメイギク
しゅうめいぎく / 秋明菊
[学] Anemone hupehensis L. var. japonica (Thunb.) Bowles et Stearn
Anemone japonica Sieb. et Zucc.
キンポウゲ科(APG分類:キンポウゲ科)の多年草。古く中国から渡来し、各地の山野に野生化している。京都の鞍馬(くらま)や貴船(きぶね)山中に多く、キブネギクの名もある。栽培品が野生化したものである。半日陰に育ち、地下茎で広がり群落となる。根出葉は3出複葉で、長い柄がある。10月ころ60センチメートルほどの花茎を出し、キクに似た径5~6センチメートルの紫紅色花を開く。弁化した萼片(がくへん)が多数あるのが普通であるが、園芸品種には一重咲きや白色花もあり、これらは新しい渡来品種といわれている。栽培には、乾きすぎない半日陰が適地で、春に子苗を株分けして植える。
[鳥居恒夫 2020年3月18日]