日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハクサンイチゲ」の意味・わかりやすい解説
ハクサンイチゲ
はくさんいちげ / 白山一花
[学] Anemone narcissiflora L. subsp. nipponica (Tamura) Kadota
Anemone narcissiflora L. var. nipponica Tamura
キンポウゲ科(APG分類:キンポウゲ科)イチリンソウ属の多年草。地下茎は太く、短い。茎は高さ40センチメートル。茎葉は4枚が輪生し、裂片はとがる。葉柄はない。6~8月、茎の先に径約2センチメートルの白色花を1~5個開く。果実は扁平(へんぺい)な痩果(そうか)で、広い翼がある。中部地方の高山のお花畑に普通に生え、代表的な高山植物の一つである。名は、石川・岐阜県の白山(はくさん)で発見されたことにちなむ。変種エゾノハクサンイチゲは、茎葉は柄があり、裂片の先は丸い。本州北部、北海道、および樺太(からふと)(サハリン)に分布する。
[門田裕一 2020年3月18日]