アミノフィリン(読み)あみのふぃりん(その他表記)aminophylline

翻訳|aminophylline

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アミノフィリン」の意味・わかりやすい解説

アミノフィリン
あみのふぃりん
aminophylline

テオフィリンエチレンジアミン複塩で、強心・気管支拡張剤苦味を有する白色ないし微黄色の粒または粉末で、難溶性のテオフィリンを水溶性としたもの。中枢神経興奮、冠血管拡張、強心、利尿気管支拡張、胃液分泌促進作用を有し、気管支喘息(ぜんそく)、喘息発作の予防、腎(じん)性および肝性浮腫(ふしゅ)、狭心症発作の予防などに広く応用される。胃腸障害をおこしやすいので、おもに静脈注射を行い徐々に注入する。常用量は1回0.1グラム、1日0.3グラム、極量は1回0.5グラム、1日1.5グラム。

[幸保文治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「アミノフィリン」の解説

アミノフィリン
アミノフィリン
aminophylline

C14H16N8O4・C2H8N2(420.44).テオフィリンとエチレンジアミンをエタノール中で加熱すると得られる2:1の分子化合物白色の粉末.水に易溶,エタノール,エーテルに不溶.強心・利尿剤,気管支ぜん息薬として使用される.LD50 448 mg(マウス経口).[CAS 317-34-0]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アミノフィリン」の意味・わかりやすい解説

アミノフィリン
aminophylline

緑茶のなかに含まれるアルカロイドカフェインテオブロミンとともにキサンチン誘導体といわれるテオフィリンの製剤である。テオフィリンは水に難溶のため,溶解補助剤としてエチレンジアミンを加えた製剤をアミノフィリンという。作用はテオフィリンと同様で,利尿作用は中程度,作用の発現は速く,持続は短い。中枢神経興奮作用は弱く,心筋の収縮力を強め,腎動脈や冠状動脈拡張作用がある。気管支平滑筋弛緩作用もある。臨床的には心不全,浮腫,冠不全,気管支喘息などに使用される。

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世界大百科事典(旧版)内のアミノフィリンの言及

【鎮痙薬】より

(2)メチルキサンチン誘導体 テオフィリンが代表的で,ホスホジエステラーゼ活性を阻害し,環状AMP量の増加をおこし,平滑筋を弛緩させる。アミノフィリン(テオフィリン‐エチレンジアミン)やテオナ(テオフィリン‐ノスカピン)などがあり,気管支拡張薬として喘息に,また狭心症,胆管・胆囊の痙攣に用いられる。(3)Ca2+拮抗薬 細胞外のCa2+の細胞内への流入を抑制して収縮をゆるめる薬物で,ベラパミル,ニフェジピン,ジルチアゼムなどがある。…

※「アミノフィリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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