アメリカインディアン諸語(読み)アメリカインディアンショゴ

デジタル大辞泉 の解説

アメリカインディアン‐しょご【アメリカインディアン諸語】

南北アメリカ大陸および西インド諸島で話されている先住民の諸言語

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精選版 日本国語大辞典 の解説

アメリカインディアン‐しょご【アメリカインディアン諸語】

  1. 〘 名詞 〙 北アメリカ中央アメリカ南アメリカ(西インド諸島をふくむ)の先住民であるインディアン(あるいはインディオ)の言語の総称。系統的に一つ語族をなすというのではなく、北アメリカだけでも、三〇の語族と、これとほぼ同数の系統関係不明の孤立言語があり、ラテンアメリカも同様である。また、死滅に近い言語も多い。

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百科事典マイペディア の解説

アメリカ・インディアン諸語【アメリカインディアンしょご】

南北アメリカ大陸,西インド諸島の原住民の言語の総称。形態的分類で集合語に分類されるが,構造も語彙(ごい)も著しく異なる。一説に1000以上の言語を含み,各言語の話し手の数はきわめて少ない。メキシコのアズテク諸語マヤ諸語,ペルーのケチュア語,パラグアイのグアラニー語のように数十万人によって話されている言語もあるが,多くは,白人の渡来以後,英語,スペイン語,ポルトガル語,フランス語に圧倒されて消滅し,あるいは消滅の過程にある。マヤ語,北米のアルゴンキン諸語などを除き,19世紀以前の資料はほとんどなく,以後の資料も不十分である。特に南アメリカ諸語の研究が遅れ,諸語間の親族関係の証明は完成されていないが,次の大語族が仮定される。北からメキシコへかけてエスキモー・アレウト(エスキモー語),ナ・デネ,アルゴンキン・ウォキャシュ,ホカ・スー,アズテク・タノア,ペヌート,メキシコにタラスカ,メキシコおよび中米にオト・マンゲ中南米にマクロ・チブチャ,南米および西インド諸島にジェ,パノ,カリブアンデス赤道。一部の言語とアジア,オセアニアの諸語との親族関係も問題になっているが明らかでない。→アメリカ・インディアン
→関連項目アイマラ語クリー語ナバホ語

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

アメリカインディアン諸語
アメリカインディアンしょご
American Indian languages

北アメリカ,中央アメリカ,南アメリカの先住民の言語の総称。言語構造が著しく異なったり,研究が不完全であったりして親族関係が証明されていない言語もすべて含めてまとめた地理的名称にすぎない。北アメリカでは,エスキモー=アレウト語族,オジブワ語,ヌートカ語などのアルゴンキン=ワカシュ語族,ナバホ語などのアサバスカン語族,チェロキー語などのイロコイ語族チヌック語などのペヌティ語族,さらにホカ語族など。中央アメリカでは,ナワトル語を含むアステカ=タノ語族やマヤ語を含むマヤ語族など。南アメリカでは,インカ帝国の言語として広まったケチュア語を含むケチュア語族などが主要言語。大多数の言語が少数の話し手しかもたず,総じて英語,スペイン語に取って代られつつある。

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世界の主要言語がわかる事典 の解説

アメリカインディアンしょご【アメリカインディアン諸語】

南北アメリカ大陸および西インド諸島の先住民の言語の総称。北アメリカのナバホ語やエスキモー語、中央アメリカのナワトル語やマヤ語、南アメリカのケチュア語やグアラニー語などは現在も話し手が多い。種類は800とも2000ともいわれるが、15~16世紀のヨーロッパ人の渡来時にはさらに多かったと推測される。これらの言語の系統的な分類は容易ではなく、北アメリカの諸語を55の語族に分類する研究や、それをさらに6つの大語族に整理する試みもある。単一語族説もあるがあくまで仮説にとどまる。こうした分類は、先住民の祖先がいかなる集団をなしてアメリカ大陸に移住したのかという問題とも連動している。

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