アメリカン・エキスプレス(読み)あめりかんえきすぷれす(英語表記)American Express Co.

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アメリカの旅行関連サービス・金融サービスの大手企業。略称アメックス(AMEX)。1850年にニューヨーク州バッファローで通運業を営む会社として創立された。その後、業務を拡大し、1891年には世界初のトラベラーズ・チェックを発行。さらに1915年、旅行サービス部門を設立し、1958年より国内でのクレジットカードの発行を開始した。1970年代以降、同国の金融規制緩和のなかで金融業の分野にも進出。以後は、旅行関連を主軸として、保険業、国際金融業などの総合金融サービスを世界100か国以上で展開している。1981年、当時全米第2位の証券会社シェアソン・ローブ・ローズ、1984年には投資銀行業のリーマン・ブラザーズ・クーン・ローブを買収し、証券投資業務に参入したが、カード部門など中核ビジネスを強化するため1993年に総合金融会社のプライメリカPrimerica Corp.に10億ドルで証券部門を売却した。1999年の売上高は194億8300万ドルで、そのうち旅行関連業務が76%、保険業務が19%、国際金融業務が5%。旅行関連業務はクレジットカードとトラベラーズ・チェックが中心であり、同社が扱うアメリカン・エキスプレス・カード(通称アメックス・カード)は、世界最大級の利用規模を誇るクレジットカードである。保険業務は1969年に吸収合併したファンド・アメリカン・カンパニーズが行っている。国際金融部門はアメリカン・エキスプレス・インターナショナル・バンキング・コーポレーションが全世界33か国以上にネットワークをもっている。

[佐藤定幸・萩原伸次郎]

その後の動き

サブプライムローン問題の影響を受けてクレジットカード事業が不振に陥り、2007年9月、銀行部門アメリカン・エキスプレス・バンクをイギリスの金融グループ、スタンダード・チャータードStandard Chartered に売却した。さらに公的資金を受けやすくするために、2008年11月に銀行持株会社に移行、同年12月には約33億9000万ドルの公的資金の注入について承認を受けたと発表。2012年の売上高は315億8200万ドル、純利益は44億8200万ドル。

[編集部]

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