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アルカリ融解 アルカリゆうかいalkali fusion

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アルカリ融解
アルカリゆうかい
alkali fusion

(1) ケイ酸塩,鉄,マンガン,マグネシウム鉱,硫酸塩,錫石,カーボランダムなどの天然試料あるいは化合物は,固体の水酸化アルカリ炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなどと加熱すると融解し分解される。この操作をアルカリ融解またはアルカリ溶融といい,酸で分解できない試料の分解に広く使われる。融成物は水または酸で処理され,分析操作に供される。炭酸ナトリウムと酸化剤を併用するアルカリ性酸化融解,炭酸ナトリウムと還元剤を併用するアルカリ性還元融解もよく用いられる。
(2) 有機化合物を固体の水酸化アルカリとともに加熱,融解して変化させる操作。芳香族スルホン酸塩,ハロゲン置換体はフェノールとなり,脂肪酸はもとの酸より炭素原子数が2個少い酸と酢酸に分解される。

C6H5SO3Na+NaOH→C6H5OH+Na2SO3

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世界大百科事典 第2版の解説

アルカリゆうかい【アルカリ融解 alkali fusion】

(1)200~350℃で溶融した水酸化アルカリ中で有機化合物化学変化を起こさせる操作。アルカリ溶融ともいう。脂肪酸をアルカリ融解すると,炭素数が2原子少ない酸および酢酸CH3COOHに分解する。芳香族スルホン酸を水酸化ナトリウムでアルカリ融解すると,下記の式に従ってスルホン酸が分解してフェノール類のナトリウム塩が生成する。 RSO3H+3NaOH―→RONa+Na2SO3+2H2Oこの反応はフェノールのほか,染料合成の重要中間体となるβ‐ナフトールなどの工業的製造にも使われているが,実験室で使われることはほとんどない。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アルカリ融解
あるかりゆうかい
alkali fusion

固体の水酸化アルカリを熱して融解させ、その中で水に難溶性の種々の物質を反応させて水溶性の物質にすることなどをいう。無機化合物では、酸に溶けにくい金属の酸化物硫化物、ケイ酸塩などを分解するのにこの方法がよく用いられる。たとえば、水酸化ナトリウム(融点328℃)と試料とをよく混ぜ、500℃程度で1時間加熱すると、多くの場合、可溶性の物質とすることができる。これらの操作には酸化剤を加えることもあり、また容器としては鉄、ニッケル、金、銀などの高温でもアルカリにおかされないものを使う。有機化合物では少量の水が含まれることが多く、普通200~350℃で反応させるが、たとえば、脂肪酸ではもとの酸よりも炭素が2原子少ない酸と酢酸とに分解し、芳香族ハロゲン置換体、スルホン酸などはフェノールとなる。工業的には染料の製造などに広く用いられる。[中原勝儼]

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