アルキル化剤は、分子化合物中にアルキル基2個以上をもち、生体細胞の核酸(DNA、RNAで、生体細胞のもっとも基本的な物質)や
アルキル化剤の特長は、ガン細胞の増殖周期のどの時期にも作用し、固形系ガン(乳ガンなどガン細胞が一か所に固まっているもの)、血液系ガン(白血病のようにガン細胞が全身に広がるもの)など広い範囲に応用できることです。
免疫抑制剤としても用いられます。また、用量が多いほど効果があるので、耐えられる限り1回量を多くし、使用回数を少なくした使用法が一般的です。
アルキル化剤のおもな副作用として、消化器症状、血液障害があげられます。また、生殖器、皮膚、免疫系などに影響を与えることがあるので、長期間使用する場合には十分な注意が必要です。
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
… 制癌薬はその起源によって,天然物由来のものと人工合成物の2種類に大別されるが,一般にはその起源ないし作用形態から,次の6種類に分類されることが多い。(1)アルキル化剤,(2)代謝拮抗剤,(3)抗癌性抗生物質,(4)植物アルカロイド類,(5)ホルモン類,(6)その他,である。
[アルキル化剤]
この群の制癌薬はその作用がアルキル化反応を起こすことが主体となっている。…
…ステロイド剤は免疫抑制作用のほかに抗炎症作用が強く,炎症を伴う免疫異常疾患すなわち膠原病(こうげんびよう)などに幅広く使用されている。免疫抑制のための化学療法剤としては,アルキル化剤,プリン拮抗剤,ピリミジン拮抗剤,葉酸拮抗剤,抗生物質,アルカロイドなどがあるが,よく使用されるものは,アルキル化剤ではシクロホスファミド(商品名エンドキサン),プリン拮抗剤では6‐メルカプトプリン(6‐MP),アザチオプリン(商品名イムラン),葉酸拮抗剤ではアメトプテリン(商品名メソトレキセート)である。これらの免疫抑制剤は,制癌作用や骨髄抑制などの細胞毒作用があり,免疫性疾患のなかでも,重篤な場合やステロイド剤が無効な場合に限って使用されることが多い。…
※「アルキル化剤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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