ロシア連邦,ヨーロッパ・ロシアの北西部,同名州の州都。人口35万2000(2002)。白海に注ぐ北ドビナ川河口から45km上流に位置するロシア最初の海港,ロシア最大の木材輸出港で,北極海航路の西ターミナル。1613年までノボホルモゴールイNovokhormogory。イワン4世により,1584年ミハイル・アルハンゲリスキー修道院が創建されたことにはじまり,17世紀末,ピョートル1世によって造船所,海軍工厰ができた。18世紀初頭にペテルブルグがひらかれるまで,西欧世界と結ぶロシアの主要港であった。ナポレオンによる1807-11年の〈大陸封鎖〉時には一層重要性を増した。98年モスクワとの間に鉄道が開通,林業と木材輸出の中心となった。帝政時代は政治犯の流刑地としても有名。十月革命に際し,N.V.チャイコフスキーを指導者とする反革命臨時政府が形成されるとともに,1918年8月,イギリス,アメリカ等の革命干渉軍が占拠した。第2次大戦中は連合国側の物資揚陸地となる。M.V.ロモノーソフが近村で生まれている。市の南方25kmに16~20世紀の木造建築を集めたアルハンゲリスク木造建築博物館がある。
執筆者:高田 和夫
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ロシア連邦北西部、アルハンゲリスク州の州都。人口36万6200(1999)。港湾都市で、白海のドビナ湾奥、北ドビナ川岸と河口デルタの諸島に市街地が形成されている。ロシアの製材業と木材輸出の大中心地で、ソロンバルスク紙・パルプコンビナートなどの木材加工業や木材化学工業に多数の労働者が従事している。そのほか、造船(貨物船、漁船)、船舶修理、木材加工業に関連する機械製作、食品(水産加工、食肉)工業、建材工業が発展している。市は1584年、西方進出の拠点として開かれたロシア最初の海港で、イギリスその他の西欧諸国と交易が行われた。1703年にサンクト・ペテルブルグが建設されて主導的役割はなくなったが、鉄道開通後ふたたび発展し、19世紀末から20世紀の初めにはロシアの木材工業、木材輸出の大中心地となった。北洋航路(1932年開発)、漁業の中心でもある。木工、医科、教育の各大学、航海専門学校、民家博物館、造形美術館などの教育・文化施設がある。
[中村泰三・小俣利男]
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